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僕は本心を出したい  作者: 成海千晴
こころとかなで
5/13

おい、夢じゃないじゃん! ここは....どこ?

 え、待って。6時間分の記憶ないの?嘘でしょ?

 そんなんだったら、ここにきた原因が直前のことがだったらわかんないじゃん!?

 えっと、今日は、朝遅く起きて、なんか家族に文句言われて、雨ふるって天気予報で言ってて、学校遅刻しかけて、廊下でかなでと話して、席に座って、なんかめっちゃ眠くなって........

 やべ、そっからなんも思い出せん。


 いや、それよりも。それよりも!!

 その記憶以外全てはっきり思い出せるってマジで!?

 えっと、1ヶ月前の天気と、ご飯は......日曜日で、昼まで寝てて、意味不明なぐらい晴れてるのに、夜にめっちゃ雨降ってきた。ご飯は、昼に起きた時にアップルパン1つ、小さめのを食べて、夜はカップラーメン食べた。

 確かその日は、夜の雨で買い物行くのがめんどくさいってなって、でも冷蔵庫に何もなくて、家族でカップラーメン食べたな。

 わ、思い出せる!!

 じゃあ3年前の学校の避難訓練した日付思い出してみよ。

 これなら、僕が覚えてない自信があるから。

 あ、6回もしてるな。えっと、1学期に2回、2学期に3回、3学期に1回。

 1学期は5/23と7/3で、5月が不審者で、7月は火事。2学期は9/30と11/4と12/9にあって、9月は地震、11月は不審者、12月は休み時間中の地震だったな。で3学期は1/20で休み時間中の不審者。

 え、全部思い出せた。マジじゃん。別に嘘とは思わなかったけど、なんか感動する。なんか超能力使えるみたいで嬉しいな。てかこれもう超能力じゃん!?

 わ、すごい。語彙力やばい。なんか物凄くいい気分。

 てか、景色良。改めて、何この鮮やかな場所。

 時間ないってことは、居たいだけいても大丈夫なのかな?

 あ、でもこの記憶消えちゃうんだったな。僕は特別な人にはなれないんだね。

 ...なんかずっと立ってたから座るか。


りお「わかったようで、わかってなさそうですね笑 別に、記憶がなくても、()()()()()()()()って意味では特別な人になれるんじゃない?」


こころ「う〜ん、そういうもんなのかなぁ........ってえ?」


りお「驚いた? 僕は君の考えていることがわかるんだよ。」


こころ「そうだったのかよ、」


 騙されたな。てか、りおはなんで僕のこと知ってるの?

 てか、そもそも、そもそもさ。ここどこなんだよ。なんか現実世界じゃないっぽい言い方じゃん。

 なんで今まで気づかなかったんだ。


りお「えーっと、騙していたわけじゃないんだけどな....?」


こころ「......僕の考えてることがわかるなら、早く僕が思った疑問に答えてもらえない?」


 僕は少し腹が立ったから、八つ当たりする。


りお「はいはい、八つ当たりはしないで。ここは、生物の()()()()が来れる空間、別の言い方をすると()()()()()()()()()()()って言えるかな。」


 ...2つの意味、一緒じゃなくない?


りお「確かに、意味はちょっと違うかもしれないな。でも、本質は一緒。君は、現実で迷ってたんだよ。考えてたんだよ。精神的に辛くなったんだよ。だからここにきた。」


 本質は一緒って、それ説明が下手なだけじゃないの?

 てか.....そんな出来事あったっけ?


りお「その出来事は、今君が思い出すことのできない記憶の中にあるね。ああ、なんで僕が君を知っているかは、後で案内するよ。あと、ここには居たいだけいても大丈夫。君がいる間は、絶対に僕たち2人だから。」


 案内?なんか窓みたいなのでもあるのか、、?

 あ、居たいだけ居ていいの!それは単純に嬉しいな。ここの空間は、居て癒される気分。


りお「こころさんが癒されてくれてるならよかった。この空間は、僕が君が喜びそうなところに変えてみたからね。」


 .....もしかして、りおは変態なのか。


りお「変態なんて人ぎきの悪い。僕は、感情移入が得意なだけだ! てか、喋ってくれない?」


こころ「え、考えてることそのままのぞいて勝手に答えてるのはりおじゃ?」


りお「うわ、そんなこと思ってたんか。腹黒め。」


 .....あれ、僕の考えてることわかるんじゃなかったの?


りお「考えてることと、思ってることは微妙に違うんだよ! .....あっ」


こころ「またやってるじゃん。」


 口では少しツンとしながら、このやりとりをしていると自然とにやけてきてしまう。


りお「ええ、笑わないでよ。仕方がないんだよこれは。」


こころ「いいじゃん笑 でも、りおがいいやつなのはわかったから。」


りお「えっ、そんなこと試してたの?!」


こころ「りおって面白いね笑 本当に人の運命変えられるの?」


りお「僕は見られただけで勝手に人の運命が変わるようになってるから、僕自身は関係ないんだよ。」


こころ「あ、そうなの?」


りお「うん。だって、僕はこの空間に精神が入ってくるのを待って、来たなと思ったらそこに行って、見えるところに立っておけばいいだけだから。」


こころ「だから、どんな風に運命が変わるかはわからない、と。」


りお「そう。運命がいい方に傾くっていうことはわかるんだけどね。僕は、決して万能じゃないから。」


こころ「万能じゃない。あれ、りおは神様的な、そんな感じの存在じゃないの?」


りお「いいや、違う。ただ、迷う魂を正しく導くシステムが施されているだけ。」


 システム、...システム??施されてる??え、元々人間なの??

 僕は少し、思考がフリーズした。そしたら。


りお「僕は元から人間じゃないよ。僕は君たちで言うAI。AIに、ちょっとしたシステムを施して、肉体と"仕事"を与えられた存在、みたいな感じ。なんとなくわかった?」


 システムって、なんだよ。理解はできそうにないけど。というか。仕事、なんだね。

 この疑問は置いておいて、次の質問をする。


こころ「わあ。じゃあこの空間は誰が作ったの?」


りお「空間自体は、君たちの現実世界を少し再利用しているだけだよ。誰も作ってはいない。厳密にいうと、時間がこの空間を生み出しているから、現実世界そのものがこの空間を作り出している感じかな。」


こころ「?????」


りお「あ、ごめん。簡単にいうと、君たちの世界からでた、空間のゴミの部分を使ってるんだよ。」


こころ「...そ、そうなん、だ?」


 さらに意味不明な話が出てきた。そもそも、空間にゴミなんてあるの??聞いたことない。


りお「少し馴染みのない話だろうね。全部難しい話だったから、わからないのも無理ないよ。」


こころ「あれ、バカにされた?」


りお「違う違う。そういう意味じゃない。えっと、すみま、せん.....」


こころ「え、あ、じょ、冗談だから、ね?」


りお「それは知ってる笑」


 りおはそう言って、天使のような顔で、悪魔のような表情を作って、声をあげて笑っていた。

 こいつ、少しかなでに似てるな。ん、かなで?何か引っかかる気がするけど...

 それよりも、「迷っていた」って、「精神的に辛かった」って。僕に無い空白の6時間に何が起こったのか。

 こんなやつだから、「迷う」とか「精神的に辛い」とか、無縁すぎて本当にそんなんになってるのか謎なんだよね。

 真面目に、何もわからない。というか、僕的にはその空白の6時間があるのかすら謎なんだけどね。だって、最後の記憶が眠くなったことだからさ、りおが嘘つくとは思わないけど...


りお「急にそこに戻るかぁ。こころさんは、記憶を全て思い出せるようになるとそういう感じになるのかぁ。」


こころ「だって、そこの部分がわからないと.....ねぇ?」


りお「....気になる?」


こころ「気になる。もったいぶらないで。」


 もう、ここらへんになると脳で考えてではなく、反射的に答えるようになっていた。

 僕は、何を迷っていたの?

 僕は、何に気づかなければならないの?


りお「じゃあ、こころさん。ついてきてください...と言いたいんですが。」


こころ「え、何、え? 気になるから早くしてよ!」


りお「まあまあ、ちゃんと聞いてくださいよ。」


 ...ゴクリ。


りお「こころさん、()()()()()()()()()


 え、そ、空? 飛べるの?! まじで!?!?


りお「はい!! じゃあ、いきましょうか!」


こころ「え、どうやって?!」


 聞いてる間にも、りおは先に行っている。置いていかれてる感がすごい。()()()()()()()()()()()、こっちをみていたかと思えば、進行方向に振り返った。そして、すーっと飛んでいく。

 「待って」と言おうと思ったら、りおが振り返りながら言った。


りお「大丈夫。思うままに飛べばできますよ〜」


 りおは言い終わってから、少し微笑んだ。これは、何となく作り物じゃない気がする。

 てか、う、ちょっと怖いって。ね、待って、置いていかないでよ。

 ......ま、って。体、動かない。なんで、なんで。


りお「こころさんなら。1人で乗り越えることができるはずです。大丈夫。考えすぎず、欲望の動かすままに体を委ねてみて!」


 僕、なら。大丈夫、大丈夫。だいじょ、ぶ?

 考えすぎではないのに。体が、動かない。ちょっと、動いてよ、僕には、気づかないといけないことが...!


りお「こころさんには、()()()()()()()()()がついてますよ!」


 か、かなでがついてる...うん。そうだね!

 かなでがついててくれるなら、僕はきっと大丈夫。かなでに、心配かけない為にも。


こころ「って、おい!!!!!!」


りお「どうしたんですか〜 早く来てくださ〜い。」


こころ「なんで、なんでっ。そこで()()が出てくるんだ!!!!」


りお「あれれ、違いました? だってこころさん、るきさんのこと好きじゃないですか。」


 バッ.....


こころ「りおのバカぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


りお「お、こころさん! 普通に飛べてますよ!」


こころ「なんだよ!! その()()()()()って言うのをやめろ!! 気持ち悪いんだよ!! てか、絶対に許さない.....!!!!」


りお「え、ちょ、わかった、わかったから。()()()()()()、待って、許して〜!」


こころ「ちゃんも気持ち悪いからやめろ!!! 呼び捨てでいいから!! てか、許すわけないだろ!!!」


りお「わかった、今度こそわかった。こころ。落ち着け、落ち着いて。物凄い勢いでこないで!!」


 ...りおは今の状況を楽しみながら、少し考えていた。


つづく

1/14 細かい部分を修正しました。

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