おい、夢じゃないじゃん! ここは....どこ?
え、待って。6時間分の記憶ないの?嘘でしょ?
そんなんだったら、ここにきた原因が直前のことがだったらわかんないじゃん!?
えっと、今日は、朝遅く起きて、なんか家族に文句言われて、雨ふるって天気予報で言ってて、学校遅刻しかけて、廊下でかなでと話して、席に座って、なんかめっちゃ眠くなって........
やべ、そっからなんも思い出せん。
いや、それよりも。それよりも!!
その記憶以外全てはっきり思い出せるってマジで!?
えっと、1ヶ月前の天気と、ご飯は......日曜日で、昼まで寝てて、意味不明なぐらい晴れてるのに、夜にめっちゃ雨降ってきた。ご飯は、昼に起きた時にアップルパン1つ、小さめのを食べて、夜はカップラーメン食べた。
確かその日は、夜の雨で買い物行くのがめんどくさいってなって、でも冷蔵庫に何もなくて、家族でカップラーメン食べたな。
わ、思い出せる!!
じゃあ3年前の学校の避難訓練した日付思い出してみよ。
これなら、僕が覚えてない自信があるから。
あ、6回もしてるな。えっと、1学期に2回、2学期に3回、3学期に1回。
1学期は5/23と7/3で、5月が不審者で、7月は火事。2学期は9/30と11/4と12/9にあって、9月は地震、11月は不審者、12月は休み時間中の地震だったな。で3学期は1/20で休み時間中の不審者。
え、全部思い出せた。マジじゃん。別に嘘とは思わなかったけど、なんか感動する。なんか超能力使えるみたいで嬉しいな。てかこれもう超能力じゃん!?
わ、すごい。語彙力やばい。なんか物凄くいい気分。
てか、景色良。改めて、何この鮮やかな場所。
時間ないってことは、居たいだけいても大丈夫なのかな?
あ、でもこの記憶消えちゃうんだったな。僕は特別な人にはなれないんだね。
...なんかずっと立ってたから座るか。
りお「わかったようで、わかってなさそうですね笑 別に、記憶がなくても、特別な体験をしたって意味では特別な人になれるんじゃない?」
こころ「う〜ん、そういうもんなのかなぁ........ってえ?」
りお「驚いた? 僕は君の考えていることがわかるんだよ。」
こころ「そうだったのかよ、」
騙されたな。てか、りおはなんで僕のこと知ってるの?
てか、そもそも、そもそもさ。ここどこなんだよ。なんか現実世界じゃないっぽい言い方じゃん。
なんで今まで気づかなかったんだ。
りお「えーっと、騙していたわけじゃないんだけどな....?」
こころ「......僕の考えてることがわかるなら、早く僕が思った疑問に答えてもらえない?」
僕は少し腹が立ったから、八つ当たりする。
りお「はいはい、八つ当たりはしないで。ここは、生物の精神のみが来れる空間、別の言い方をすると迷う魂を引き寄せる空間って言えるかな。」
...2つの意味、一緒じゃなくない?
りお「確かに、意味はちょっと違うかもしれないな。でも、本質は一緒。君は、現実で迷ってたんだよ。考えてたんだよ。精神的に辛くなったんだよ。だからここにきた。」
本質は一緒って、それ説明が下手なだけじゃないの?
てか.....そんな出来事あったっけ?
りお「その出来事は、今君が思い出すことのできない記憶の中にあるね。ああ、なんで僕が君を知っているかは、後で案内するよ。あと、ここには居たいだけいても大丈夫。君がいる間は、絶対に僕たち2人だから。」
案内?なんか窓みたいなのでもあるのか、、?
あ、居たいだけ居ていいの!それは単純に嬉しいな。ここの空間は、居て癒される気分。
りお「こころさんが癒されてくれてるならよかった。この空間は、僕が君が喜びそうなところに変えてみたからね。」
.....もしかして、りおは変態なのか。
りお「変態なんて人ぎきの悪い。僕は、感情移入が得意なだけだ! てか、喋ってくれない?」
こころ「え、考えてることそのままのぞいて勝手に答えてるのはりおじゃ?」
りお「うわ、そんなこと思ってたんか。腹黒め。」
.....あれ、僕の考えてることわかるんじゃなかったの?
りお「考えてることと、思ってることは微妙に違うんだよ! .....あっ」
こころ「またやってるじゃん。」
口では少しツンとしながら、このやりとりをしていると自然とにやけてきてしまう。
りお「ええ、笑わないでよ。仕方がないんだよこれは。」
こころ「いいじゃん笑 でも、りおがいいやつなのはわかったから。」
りお「えっ、そんなこと試してたの?!」
こころ「りおって面白いね笑 本当に人の運命変えられるの?」
りお「僕は見られただけで勝手に人の運命が変わるようになってるから、僕自身は関係ないんだよ。」
こころ「あ、そうなの?」
りお「うん。だって、僕はこの空間に精神が入ってくるのを待って、来たなと思ったらそこに行って、見えるところに立っておけばいいだけだから。」
こころ「だから、どんな風に運命が変わるかはわからない、と。」
りお「そう。運命がいい方に傾くっていうことはわかるんだけどね。僕は、決して万能じゃないから。」
こころ「万能じゃない。あれ、りおは神様的な、そんな感じの存在じゃないの?」
りお「いいや、違う。ただ、迷う魂を正しく導くシステムが施されているだけ。」
システム、...システム??施されてる??え、元々人間なの??
僕は少し、思考がフリーズした。そしたら。
りお「僕は元から人間じゃないよ。僕は君たちで言うAI。AIに、ちょっとしたシステムを施して、肉体と"仕事"を与えられた存在、みたいな感じ。なんとなくわかった?」
システムって、なんだよ。理解はできそうにないけど。というか。仕事、なんだね。
この疑問は置いておいて、次の質問をする。
こころ「わあ。じゃあこの空間は誰が作ったの?」
りお「空間自体は、君たちの現実世界を少し再利用しているだけだよ。誰も作ってはいない。厳密にいうと、時間がこの空間を生み出しているから、現実世界そのものがこの空間を作り出している感じかな。」
こころ「?????」
りお「あ、ごめん。簡単にいうと、君たちの世界からでた、空間のゴミの部分を使ってるんだよ。」
こころ「...そ、そうなん、だ?」
さらに意味不明な話が出てきた。そもそも、空間にゴミなんてあるの??聞いたことない。
りお「少し馴染みのない話だろうね。全部難しい話だったから、わからないのも無理ないよ。」
こころ「あれ、バカにされた?」
りお「違う違う。そういう意味じゃない。えっと、すみま、せん.....」
こころ「え、あ、じょ、冗談だから、ね?」
りお「それは知ってる笑」
りおはそう言って、天使のような顔で、悪魔のような表情を作って、声をあげて笑っていた。
こいつ、少しかなでに似てるな。ん、かなで?何か引っかかる気がするけど...
それよりも、「迷っていた」って、「精神的に辛かった」って。僕に無い空白の6時間に何が起こったのか。
こんなやつだから、「迷う」とか「精神的に辛い」とか、無縁すぎて本当にそんなんになってるのか謎なんだよね。
真面目に、何もわからない。というか、僕的にはその空白の6時間があるのかすら謎なんだけどね。だって、最後の記憶が眠くなったことだからさ、りおが嘘つくとは思わないけど...
りお「急にそこに戻るかぁ。こころさんは、記憶を全て思い出せるようになるとそういう感じになるのかぁ。」
こころ「だって、そこの部分がわからないと.....ねぇ?」
りお「....気になる?」
こころ「気になる。もったいぶらないで。」
もう、ここらへんになると脳で考えてではなく、反射的に答えるようになっていた。
僕は、何を迷っていたの?
僕は、何に気づかなければならないの?
りお「じゃあ、こころさん。ついてきてください...と言いたいんですが。」
こころ「え、何、え? 気になるから早くしてよ!」
りお「まあまあ、ちゃんと聞いてくださいよ。」
...ゴクリ。
りお「こころさん、空、飛びたいですか?」
え、そ、空? 飛べるの?! まじで!?!?
りお「はい!! じゃあ、いきましょうか!」
こころ「え、どうやって?!」
聞いてる間にも、りおは先に行っている。置いていかれてる感がすごい。何もなかったような顔で、こっちをみていたかと思えば、進行方向に振り返った。そして、すーっと飛んでいく。
「待って」と言おうと思ったら、りおが振り返りながら言った。
りお「大丈夫。思うままに飛べばできますよ〜」
りおは言い終わってから、少し微笑んだ。これは、何となく作り物じゃない気がする。
てか、う、ちょっと怖いって。ね、待って、置いていかないでよ。
......ま、って。体、動かない。なんで、なんで。
りお「こころさんなら。1人で乗り越えることができるはずです。大丈夫。考えすぎず、欲望の動かすままに体を委ねてみて!」
僕、なら。大丈夫、大丈夫。だいじょ、ぶ?
考えすぎではないのに。体が、動かない。ちょっと、動いてよ、僕には、気づかないといけないことが...!
りお「こころさんには、るきさんやかなでさんがついてますよ!」
か、かなでがついてる...うん。そうだね!
かなでがついててくれるなら、僕はきっと大丈夫。かなでに、心配かけない為にも。
こころ「って、おい!!!!!!」
りお「どうしたんですか〜 早く来てくださ〜い。」
こころ「なんで、なんでっ。そこでるきが出てくるんだ!!!!」
りお「あれれ、違いました? だってこころさん、るきさんのこと好きじゃないですか。」
バッ.....
こころ「りおのバカぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
りお「お、こころさん! 普通に飛べてますよ!」
こころ「なんだよ!! そのこころさんって言うのをやめろ!! 気持ち悪いんだよ!! てか、絶対に許さない.....!!!!」
りお「え、ちょ、わかった、わかったから。こころちゃん、待って、許して〜!」
こころ「ちゃんも気持ち悪いからやめろ!!! 呼び捨てでいいから!! てか、許すわけないだろ!!!」
りお「わかった、今度こそわかった。こころ。落ち着け、落ち着いて。物凄い勢いでこないで!!」
...りおは今の状況を楽しみながら、少し考えていた。
つづく
1/14 細かい部分を修正しました。