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僕は本心を出したい  作者: 成海千晴
学校生活と悩み
12/13

月曜って憂鬱だよね、と思ってたら。

りお「こころー、起きてー!」


 りおは、どうにかこころを起こそうとしている。とりあえず掛け布団を体からはがそうと引っ張っている。こころはとにかく起きない。ちなみに夏場は寝相も悪い。りお自身は睡眠が必要ない身体なので、夜はずっとこころの寝顔を眺めている。そして、朝起きる時間になったらこころを起こすのだ。


りお「こころー! 学校遅れるー!(嘘)」


こころ「え!?」


りお「あ、起きた。」


こころ「...嘘だよね??」


りお「..........ご飯だってー」


 質問はスルーしてリビングに向かう。この流れも、一週間でお決まりになってきたもんだ。りお的には、こころを起こす役割があって嬉しいのと、頑張って自分で起きてほしいという気持ちが半々だった。何はともあれ、りおはすっかり家族の一員となっていた。




 まーた起こされたよ。なんだよ6時って、こんな早く起きてどうするんだ。今までは7時半に起きてちょうどよかったのに、1時間半も睡眠時間が減ったら寝不足になるよ?、てかなってるよ。いつも寝ても寝ても昼間眠くなるのに、そこからさらに寝る時間が減ったら...授業中ずーーーーーっと寝てることになるけどいいのかな?

 というか、りおよ。なぜ毎回学校に遅れるという嘘をつくんだ。その言葉は僕にとって脊髄反射で目が覚める呪いの言葉なんだ。僕はもっと寝てたいんだ。正直朝ご飯いらないしな。もっとぎりぎりまで寝て、本当に遅れそうになったら起こしてほしいもんだ。

 てか...月曜日だぁぁぁぁぁ。やっぱ一番憂鬱な曜日は月曜日だな。学校行かないとって考えるとなんか憂鬱になる。学校行ってしまったらもう関係ないんだけどね。

 よっし。ポジティブに、今日も頑張るぞー!

 あの事件から今日で一週間。先週の水曜日から、かなでは無事に学校に来ている。手術は何事もなく、あっさりと終わった。ほんと、これ以上何事もなくてよかった。そこからの僕たちは、前よりももっと一緒にいる時間が増えた。一緒に学校来て、授業の合間に話して、一緒に帰る。たまにどちらかの家に行って勉強をする。すごく青春している気分。腕の傷が完全に治ったわけではないし、何かあれば家ではかなでママが、学校ではまいちゃんが、全力サポートしてくれていて不自由ではないと聞いた。僕もできることはサポートしている。でも2人には全然及ばない。改めて、かなでママとまいちゃんに感謝。

 りおは、あの日からずっと家にいる。なんなら僕の部屋にいて一緒のベッドで寝てる。学校には行ってなくて、ずっと母の家事の手伝いか僕の部屋の掃除をしている。今、りおは朝ご飯を完璧に作れるように、母に特訓されてるらしい。朝ご飯作るの、めんどくさかったらしい。その気持ちはわかる。僕は作ったことないけど。

 今りおが家にいるのは、僕があの日の夜に母に頼みに行った。本当は父にも聞いてほしかったんだけど、僕たちが帰った時にはすでに仕事に行った後だった。父は昔から夜勤で働いていて、仕事と休みが交互にある。正直、何考えてるかよくわからない。

 母に頼んだ時、「りおは一人暮らしで、もうお金がなくアパートから追い出された。誰も周りに頼れる人がいなくて、お金も住むところも、何もないから、しばらく家に泊めてあげたいー」的なことをいったような気がする。必死に無理矢理こじつけて話したからあんまり覚えてない。でも、それを母は何の疑いもなく信じた。学校に行ってないのに知り合った理由が、一番ぼろが出そうで危なかったけど、テレパシーで意思疎通できてるおかげでどうにかなった。母が信じてうなずいてくれた時、2人でめっちゃほっとした。

 姉は次の日の朝、彼氏のお迎えで帰っていった。住むっていったとき姉は聞いていなかったらしい。姉は面食いなので、りおが家にいたら何かめんどくさいことにならないかなと思ったけど、まあどうにかなるだろう。そもそも、りおのことは覚えてるけど、りおを車で家に連れてったことらへんから記憶が曖昧らしいから。連鎖的に思い出さないことを、そして母が姉に言わないことを祈っておく。矛盾が起きないようにしておけばよかった。詰めが甘いのはダメだな。でも、最悪の場合は無理矢理な理屈を作ってそれを押し通せばどうにかなるよ。きっと姉なら、そこで考えを放棄するはずだから。

 そういえば、姉は今彼氏とと早めの新婚旅行で外国に行っているらしい。気づかぬうちに婚約していたらしい。僕とかなでのことがなければ、家に報告する気はなかったらしいけど、なんで報告する気がなかったのかはよく知らない。でも、ほんとラブラブなんだなと思う。新婚旅行、どこ行ってるんだろう。送られてきた写真を見ると店の看板などに英語が書いてあるので、アメリカかイギリス、と勝手に思っている。というか、正直そのお金はどこから出てきているんだ。姉は、金持ちじゃない、というか金欠のイメージだったのに。よくわかんないけど、まあいいや。

 ニュースを聞きながら朝ごはんを食べ終わり、今日こそは早めに学校に行こうと準備をする。いつもいつも早めに行こうとか思うんだけど、いつもより早いからゆっくり準備してー、ってしてたら時間やばくなるんだよね、分かる?


母「あんた、なにのんびりしてんの? はよ、もう20分やで。」


 あ。急げ。


こころ「ごめん、ありがと。行ってきまーす。」


 20分なら、めっちゃ走らなくてもぎりぎり間に合う、はず? ってこの考えがいけないんだよ。はしれーっ。




 ...間に合ったぁ、と思ったらもうHR始まってた。遅くてすみません。


先生「連絡事項はこれで...おい、林遅いぞ。もうちょっと早くこい。で、みんな。何度も言うようだけど、提出物はきちんと出すように。これ結構成績に関わるから。じゃ、解散。一時間目の授業の準備はしとけよー。」


 あ、やばい。終わってない。いやそれよりも明日提出って聞いてもなんにもやる気がでないのがやばい。

 そんなことを言うと、「来年は受験」と脳内が語り掛けてくる。確かに、受験生に比べたらこんなん屁でもないなと思うが、めんどくさいものはめんどくさい。やる気が起こらないのは起こらない。僕はそういう生き物なのだ。でも、りおが知ったら絶対に催促されるな...りおには知られないようにしないと、。でも、りおは僕の考えてることが読めるから、もしかしたらもうばれてるかもしれない。まあ、催促されなければいっかと思う。その考えがよくないのはわかるけどね。「そんなのダメだよ!!」なんて言う真面目ちゃんになる気はないし、なれるとも思わないな。

 問題集か...提出物って考えるとなんかやる気失せるよねー。自主的に問題集やるんだったら、自分偉いなとか思って自惚れからにやる気は出てくるんだけどさ、提出物ってなると...なんかやる気失せる。今まで早めに真面目に出してたのにな~。急にどうしちゃったんだ、僕。


 あーあ。1時間目ってやっぱねっむい。てかだっるい。おやすみ。

 2時間目数学かー、めんどくさ。ぼーっとしとこ。守屋先生はなんか、喋ってるだけで画になるし。

 3時間目体育じゃん、、って4時間目道徳じゃん!?英語がよかったのに。そういう時間割変更やめてほしー。あーもー、めんどくさ。トイレでさぼっとこっかな、いやでも、いつもの3人は怒るからなー。特にりくがうるさい。はぁ...体育ぐらいは頑張るか。バスケットボール。そんな苦手じゃないからいけるか。


 やった!放送の時間~ でも正直、3年の先輩苦手なんだよね、。偉そう。まあ、そんなこと言っても、体育祭が終わるまで変わらないんだけどね。純粋に放送を楽しもうと思う。

 5時間目は、5時間目は...理科の、小テストじゃん。うわー忘れてたー、そもそもどこだっけ?...計算かよ。さっさと終わらせて寝よ。

 6時間目総合か。自習時間であってくれ。頼む..........無理だった。グループ学習の続き。僕だけ班の人と仲良くないから気まずい。他の人たちは、なんか仲良さげに話してる。気まずー。寝るか。




『キーンコーンカーンコーン___』


 ...やったぁぁぁぁぁぁ!!!! 月曜日の学校終了!!!! やっぱり月曜日の楽しみは、お昼の放送の時間だね。放送委員になれて良かった。そして、HR(ホームルーム)はボーナスステージだから。もう余裕だわ。

 話を聞いてるような聞いてないような、ぼーっとしてたHRの最後に、たかちゃんがこんなことを言った。


先生「あっ、明日隣のクラスに転校生が来るらしい。見かけたら仲良くしてやるように。」


 たかちゃんは何でもないことのように話して、解散とでもいうように教室を去っていった。しかし、僕らはそうはいかない。クラス中が大興奮し、一気に予想大会と妄想が始まる。


「転校生って、まじで?」

「やっと俺にも春がくるな。」

「うわ、お前に春はこないって。」

「そもそも隣のクラスだろw」

「だからなんだよ。」


「いやいや、何言ってんの。てか絶対可愛い女の子だって!」

「いや、イケメンで背の高いハイスペック男子だって。」

「いやいや何言ってんのお前さ。」

「そっちこそ何言ってんの。」


「勝手に期待されて幻滅される転校生可哀想だな...」

「それなー。」

「てかさ、変な時期だよな。今は5月の後半だぞ?」




るき「みんな気になってるんだねー」


りく「俺はどうでもいい。」


れお「うわっ、冷たー、。」


るき「流石りくだね。もしめちゃくちゃ可愛い子だったらどうするの?」


りく「別に、俺好きな人いるし。」


れお「え!? もしかして、うち?」


りく「んなわけないだろ。」


れお「真顔で言うなよ。ちょっと傷つくだろ。」


 ...これは、恋バナの予感。


れお「で?、りくは誰が好きなんだ?」


りく「言うわけが無いだろ。」


るき「えー、なんでー?」


れお「ほら、言えよ。なあー、こころもなんか言ってやってくれ。」


こころ「え、僕? えっと、りくは誰が好きなの?」


りく「え、えっと...」


 お、これは言ってくれるか?


りく「今は、言えない。」


れお「はあ!? なんだよ”今は”って。言えよ。」


るき「まあまあ。きっと今度言ってくれるんだよねー?」


りく「...っ、お前らが好きな人言えば、言ってやる、かもな。」


 おっと??


つづく

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