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僕は本心を出したい  作者: 成海千晴
こころとかなで
1/13

始まりはなんの変哲もない日常で

 僕は嘘つきだ。

 それも相当な。世間的に言うと虚言癖。でも今のところは周りにバレていない。

 僕は中2で、ちゃんと中学校に行っている。

 大阪に住んでるけど、あまりゴリゴリの関西弁な訳でもないつもりだ。

 見た目と頭はそこそこ良く、クラスカースト的には中の上ぐらいだと思う。

 僕の日常は嘘を吐きながらそれがバレないように、いい感じに誤魔化しながら自分の自尊心を満たして自由に生きていることだ。

 君は僕のどこからどこまでが嘘でどこからどこまでが本当のことか見分けられるかな?




 今日は月曜日。

 珍しく今日はバチッと目が覚めた。自分の部屋のカーテンを開けるとまだ薄暗い。相当早く起きたのかと思い、目を凝らし、部屋の時計を見てみると7時半。いつもの時間だ。


「なーんだ、早く起きたと思ったのに。」


 早く起きていなかったことに残念がりながら部屋を出て普通に階段を降りる。階段を降りている時に1日が始まる感じがする。それと同時に、憂鬱な気持ちになる。


「今日は学校か〜」


 伸びをしながら、そう呟いてみる。そうすると弟が聞いていたらしく、


「...起きるの遅い。」


と言われた。いつも通りじゃんとか思いながら、


「すみませんねぇー」


と返す。いつも通りの会話。そして速く、階段の残りの5、6段を降りてリビングへ急ぐ。

 リビングのドアを開けると、もう両親が朝食を食べ終わっていた。

 母に、


「こころ、早くご飯食べなさい。遅刻しないようにね〜」


と言われ、父には、


「おはよう、今日は流石に遅いぞ?」


と言われた。頭が「?」でいっぱいの中、リビングの時計を見ると、もうじき8時になろうとしていた。

 ...どうやら部屋の時計が狂っているらしい。早くご飯を食べよーっと。


「ごめんなさい、早く食べる。」


 弟は少ししたら、学校に行った。

 弟が出たぐらいに、ニュースの天気予報が流れた。


『本日は、全国的に雨が多い模様で、特に近畿地方でははひどく荒れる可能性もあります。空模様に気をつけながら、交通機関の乱れに注意しましょう。また、この天気は、2、3日続きそうです。では____』


「今週、雨多いんだね。」


 身支度をしながら、母に尋ねてみる。


母「そうよ〜 あんた知らなかったの?」


「知らんよ。週末にニュースなんて見ないし。」


母「あそ。気をつけて学校行きなさいよ、遅刻しないようにね。」


 遅刻しないようにって、しつこいな。まあ、ちょっと時間がやばいけど。


「もう、わかってるって。行ってきまーす。」


 そういって玄関に走っていき、すぐ靴を履いて、ドアを叩くように開けて走っていく。

 さっき見た時間が、8時20分だったから、もう22分は超えていると思う。25分に学校の門を越えないといけないのに、やばい。

 歩けば、7、8分で、走れば5分。え、あと3分って、めっっっっちゃ速く走らないとやばくね?

 そう思った時には、もう、学校目がけて猛ダッシュしていた。

 空は雨が降りそうな曇り空だった。




「ハア、ハア、ハア、、、あ゛ーーーーーっ 疲れたぁーーーー」

 門を通ったらチャイムが鳴った。危なかった。

 ギッリギリセーフで間に合って、猛ダッシュで走ってきたことを自分の教室の入り口にいた隣のクラスの幼馴染で親友の()()()に言った。

こころ「かなでぇーーーーーー、ちょ、聞いてぇーーーー」


かなで「どした、どした、急に走ってきて、ねえ、こころ〜」


こころ「僕さぁ、めっっっっっっっちゃ頑張って学校にきた、まじ、疲れたー」


かなで「え?ねえ、何、どゆこと?」


こころ「わかってよ。」


かなで「急に真顔にならないでよ、わからんから!」


こころ「だから〜僕がぁー頑張ってぇー走ってー遅れないようにぃー来たってぇーこと。」


かなで「あっ、そゆこと。もっとあっさりいいなよ。」


こころ「別にいーじゃんよ。」


 喋りながら席に移動し、さっさと準備を始める。


かなで「で、走ってきたってことは()()寝坊したのね〜」


こころ「...またっていうなよ、ひでぇ、。」


 まあ事実だけど。


かなで「そうだね、2年生()()ね。」


こころ「むぅ...」


 かなでは、僕と似ていて余計なことまで言うのでわかりやすいがビミョーに傷つく。ほんと、僕そっくり。


 そんなしょうもない話をして、かなでは隣のクラスに戻って行った。

 かなでが教室に戻ったぐらいにチャイムが鳴り、ホームルームが始まった。いつも通り、先生の話は短く、周りが騒がしくなったと同時に、だんだん視界が暗くなっていき、やがて意識が途切れた。




 んーーー、なんか騒がしいな、しかもなんか眩しい、

 今、るきが隣にいて、すごく幸せな感じになってた気がするんだけど、誰だよ、邪魔しないでよぉ_______


れお「おーい、いつまで寝てんの?」


るき「こころ、次移動教室だから起きて~」


りく「こいつ、置いていっていいんじゃね? てか、かなでの奴、起こしていけよ。」


るき「まあまあ、そう怒るなって、かなでのクラス体育だから。」


りく「何で知ってんだよ。」


れお「おーい。」


 なんだか、頭がぺちぺちされてるような。おい、いたいって...だれだよ...

 てかなんの話してるんだ...?


りく「おい、置いていこうぜ?鍵閉めてもらお。」


るき「違うってれお、もっと強くじゃない?笑」


れお「お!じゃあ、これぐらいなら起きるかな。」


『べチン!』


こころ「フガッ!?」


れお「あ、起きた。」


 僕は「んー」と伸びをして、


「なに? てか、なんかいたいんだけど、、」


 そう言った後、机から身体を起こしながら、あくびをした。


れお「こころが起きないからだろ。」


りく「起こしてやったのに文句かよ、置いていけばよかったな。」


るき「それはかわいそうだって、おはよ、()()()、次は移動だよ。」


こころ「えー次移動教室なのか、寝てたかったのに。」


れお「お前何時間寝るんだよw」


りく・るき「そーだそーだ。」


こころ「何時間寝てたの? って、次4時間目?」


るき「うん。」


りく「時間やばいから早くしろ。」


れお「まじ寝過ぎw てか、りくは怒んなって。」


こころ「ん〜、ちょい待ち〜」


りく「だって、時間、遅くなったら怒られるだろ。」


るき「でも、こりゃ、遅刻だね...」


 るきはドア前で1人、バタバタとこころが動いている間に時計を見て、1つ、大きなため息をついた。時計は、チャイムの1分前を指していた。




 僕たちのこのやりとりは日常茶飯事である。先生たちにはもう呆れられているのでね。

 こいつらは中2になってから、なんだかんだで一緒にいるいつもの3人だ。もともと交流はなかったが、最初うまくクラスに馴染めなかった4人が集まったという感じだ。気づけば一緒に登校し、一緒に行動し、一緒に帰り、学校以外でも遊び、寝泊りする関係になっていた。LI●Eでグループも作った。中1の時には、かなでが同クラだったから、関係なかったんだけどね。



 4時間目は英語だった。英語は、今日だけ(先生の関係で)移動教室になったらしい。先生の喋り声が子守唄に聞こえ、また段々と夢の中に(いざな)われていった____


つづく

細かい部分を修正しました。

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