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ぼくの・夏  作者: 奈那美
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探検団、結成?

「ふうん。いいわよ。今から先生に『アキラ君たちに仲間外れにされていじめられました』っていうだけだし」

「ずりいぞ。すぐに先生先生って」

「じゃあ、ダメな理由を言って。それで私が納得したら、あきらめてあげる」

「だって、サオリは女子だし」

「女子だからって差別するの?」

「いや、だって、探検とかそういうのって男子の世界じゃね?」

「マンガでもアニメでも、女子だって冒険にも探検にもいくし、男子よりよっぽど役に立ってるじゃない」

サオリは、ぼくたち小学生に人気がある冒険もののアニメのタイトルをいくつも並べて『どう?』といいたそうな顔をした。

(サオリ…もしかしてアニメファン?)そう思ったけど、口に出したらなにか言い返してきそうな気がして、ぼくはアキラとサオリのやりとりを聞いていた。

 

「わかったよ。仲間にいれればいいんだろ?オサムは?どう?」

「え?ぼくは、どっちでもいいけど」

「じゃあ、決まりね。それからリーダーはわたしだからね」

「いや…あとからむりやり仲間入りしてきて、リーダーもっていうのはあんまりだろ」

「だってアキラじゃたよりないし」

ぼくは、笑いそうになるのをこらえながら言った。

「ぼくはかまわないよ。サオリでもアキラでも」

「じゃあ決まりね。さっそく行ってみる?」

「あ、ごめん」

ぼくは言った。

「今日はウチの手伝いはなかったけど、さすがにそろそろ帰らないと」

 

「ああ、そうだな。じゃあいつにする?」

「じゃあ、いつ行こっか?」

アキラが半分も言い終わらないうちに、サオリが横から口をはさんできた。

「えっと…今日はまだ決められないよ。その日にならないとお手伝いがあるかどうかわからないもん」

「オサム君、いろいろ大変だもんね。私も夏休みの間も火・水・木は習い事があるからダメだし」

「たぶん、土曜日とかなら母さんも仕事が休みだから、頼まれごとも少ないと思うけど」

「じゃあ、とりあえず今度の土曜日ってことで。時間は?いくらきも試しでも、私たちこどもが夕方や夜に勝手に出かけたりできないでしょ」

「そうだよね…じゃあさ、三時ぐらいはどう?」

「いいわね。じゃあ三時にここに集合ね」

「おいおい、オレの意見は無視かよ~。オレだっていろいろと都合が…」

アキラが言いかけたけど、サオリの(あるわけないでしょ)といいたげな視線に、言うのをやめてしまった。

(女子こわ~。サオリ特にこわすぎ)とは、帰り道にアキラがぼやいた言葉だった。

 

 


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