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クリスマスナイト。

 クリスマス ナイト。



 街を歩くとクリスマスソングが聴こえてくる。


 シャンシャンって鳴る鈴の音が心地いい。




 わたし栗宮まみ、17歳高2。

 一応アイドルやってるんだけどそこまでまだ知名度高くない。


 明日の夜はライブがあるんだけど今夜は……。


 ふふ、ケインとデートの約束してるんだ。


 一応メガネをかけて地味目にしてるしわたしなんかそこまで目立たないから大丈夫だろうと思ってこうして街を歩いてるんだけど、はは……。気がつかれないにもほどがある、かぁ。


 全く注目もされないまま目的地に着いたわたしはスマホで時間を確認すると、まだ三十分も早かった。


 イルミネーションがかわいい駅広場。大勢の人がここで待ち合わせをしてるのかな。そわそわしてる子きょろきょろ探してる子いろいろ。


 わたしは中央にあるひときわ目立つツリーの下で、周囲を眺めながらほくそ笑んで。


 え? 趣味がわるい?


 人間観察って楽しいよ?


 ほら、あなたも一緒に楽しも?




 わたしが到着してすぐ後。やっぱり待ち合わせより随分と早く到着したケインにそう、微笑みながら話す。


 お互いに笑顔になり、手を繋いでその場を後にした。




 息が真っ白になるくらいの寒さ。もう時間も遅いかな。


 夕食にはちょっと遅いけど、レイトショーには間に合う。


 そんなタイミング。


 駅前のシネマへちょっと早足で急ぐ。




 わたしもケインも結局お仕事終わってからのデートだからしょうがないんだけど本当はゆっくりディナー食べに行きたかったな。そんな事も考える。


 でも。


 贅沢言っちゃいけないかな。




 夢を叶え、こうして大好きな人とクリスマスイブを過ごせるって、ほんと幸せだなって。


 一年前にはこんな幸せ、考えもしなかった。




 大好きだよ、ケイン。


 わたしはあなたに会えて、本当に幸せだ。


 ありがとう。




 繋いだ手の温もりを感じながら、シネマに向かうエレベーターに乗った。


 彼が、そっと口づけをくれて。



 世界がまた、満たされた。

 わたしは彼の肩に顔を埋めた。


    fin

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