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強制的魔王  作者: ほのぼのる500
魔王Lv1
27/58

27話

「世界ゼブリタブリLv1特典 全レベル0.5アップ」


「世界ゼブリタブリLv2特典 全レベル1.0アップ」


なんだかよく分からないけどレベルアップされたみたい。

いったいどれがレベルアップしたんだろう?

『全』と言っていたから全部とか?

いや、無いな。

このゲームにそんな特典あったら驚きだよ。

後でラルグにステータス調べてもらおう。


「ヴァンが溜まりました。星を広げましょう」


今度は星なんだ。


「まずガチャを選ぼう! 【A ヴァン1倍使用】【B ヴァン5倍使用】【C ヴァン10倍使用】」


「世界の特典を見る限り、ここも10倍だよな?」


「うん。それがいいと思う。ラルグ、後でステータス確かめてくれる?」


「分かった。俺も見たいしな、何がレベルアップしたのか」


尻尾を持ち上げて【C ヴァン10倍使用】に近付ける。


「ヴァン10倍使用に決定。ヴァンが溜まるまでキープします」


さて、とっととステータスを調べますか。


「俺からでいいか?」


「いいよ。どうなってるか、教えてね」


「分かった。ステータスオープン」


ウィン。


魔王 :ラルグ・デグ・シャルマスLv1(ヘビ)

魔法 :闇魔法[ダークショック(2.5)、ダークボール(2.5)]、毒攻撃(2.5)、防御魔法[結界(2.5)]

スキル:毒耐性(2.5)、暗視、夜目(4.2)、嗅覚強化(2.5)、身体強化(4.9)、超音波攻撃耐性(4.6)、 強打(6.0)

称号 :

ヴァン:0[0]/2000(1.5)

魔石 :997


「えっ? マジで?」


何だろう、ラルグがステータスを見て固まってる。

何かあったのかな?

……ちょっと、まだ固まったままなんだけど。


「ねぇ、ラルグ。大丈夫?」


「おっ、おう。大丈夫だ。このゲームではありえない優しさを貰った」


優しさ?


「アルフェ。世界のLv1とLv2の特典を足すと1.5だろ?」


「うん。そうだったね」


「全部の魔法とスキルに1.5が足されてる。うん、間違いない」


はっ?

見間違いじゃなくて?


「何か注意書きとかない? もしくは実は……みたいな落ちは?」


「いやいや、そこまで信用無い?」


「無い!」


アルフェの言葉に苦笑が浮かぶ。

確かに信用は無いな。

今までの事を思うと、俺だって見たモノが信じられずにじっと数字を凝視してしまったからな。


「今のところ、問題なく魔法とスキルに足されている」


そうなの?

えっ、本当にうれしい特典だったわけ?

という事は星の10倍も期待していいのかな?

いや、このゲームの事だ、どこかに落とし穴があるかも。

でも、まぁ嬉しいけどね。


「魔石の数は997個です。魔石を使って何をする? 【魔物を出現させる7個】【星に息吹を1000個】」


待ってました。

これで手に入れた闇魔法を試せるな。


「魔物でいいよな?」


「もちろん。今回は一緒に出て魔法を試そうね」


尻尾を動かし『魔物を出現させる7個』を選択する。


「【魔物を出現させる7個】に決定! 魔石の残りは990個。魔物は次から選んでください【A】【B】【C】」


これも、いつも通りでいいよな。

すっと【A】の文字に尻尾を近付ける。


「ホーンラビット100匹に決定!」


まぁ、本当にホーンラビットが出てくるかは、分からないけどね。

とりあえず、外に出て……あれ?

さっき、建物の中を歩き回った時に玄関あったかな?

……見てないな。

何処にあるんだろう?


「ラルグ、玄関の場所分かる」


「いや、それが分からないんだ」


アルフェも分からないなら、とりあえず探すしかないな。

と言っても、調べていない廊下は1か所だけだ、すぐに玄関は見つかるだろう。


「アルフェ、ステータスを確認しなくていいのか?」


「ん~、気になるけど魔法を試す方が先かな」


「そうか。なら玄関を探すか」


王座の部屋から廊下へ出る。

まだ調べていなかった右の廊下を進む。

建物のつくりから考えると、しばらくしたらきっと左に曲がるんだろうな。

で、おそらくその先に玄関があるはずだ。


「どんな魔法なのか楽しみだね」


ワクワクしているのか、アルフェの声が少し上ずっている。

まぁ、俺も楽しみなんだけどな。

今回の魔物は、あまり強くないホーンラビットがいいな。

あれだと何回か戦ってきたから動きも分かるようになってきたし、魔法が外れても対処できるはずだ。


ステータスは確かに気になる。

でも、魔法はもっと気になるよね。

これから自分たちを守る武器だからね。

あっ、そう言えば結界魔法が使えるようになったんだっけ?


「結界魔法も試したいね」


「そうだな。なぁ、アルフェ」


「何?」


「攻撃魔法は使ってく事でレベルアップしただろう?」


「うん」


超音波攻撃は、使えば使うほどレベルアップしてくれた。

今ではかなり攻撃力が上がったみたいなんだよね。


「結界魔法も同じだとすると、強くするためには結界魔法を発動させて攻撃を受ける必要があるのか?」


ん?

攻撃を受ける?

……そういう事になるのかな?


「え~、ちょっと怖いんだけど!」


何か違う方法は無いかな?

わざと攻撃を受けるなんて、そんな自虐行為は遠慮したい!


「あれ? 別に結界魔法を強くするために、攻撃を受ける必要はないんじゃない?」


「どうして?」


「私の飛行魔法みたいに、日常的に使ってレベルアップを目指す方法があるじゃない。ほら、私にとってただの移動手段なのに、飛ぶだけでレベルアップしてくれるじゃない? それと同じ。日常的に結界魔法を使って日々レベルアップを目指すのはどう?」


うん、これの方が安全だしレベルアップするのが早そう。

それに日常的に使っていたら、結界魔法を使うのが当たり前になって不意打ちに強くなれるだろうし。

敵がどうやって攻撃してくるか分からないからね。


「確かにそうだな。とりあえず使ってみるか?」


話ながら廊下を進むと、予測した通り左に曲がるようになっていた。

その角を曲がり前を見ると、まっすぐに伸びる広い廊下。

奥に見える壁が遠い。

まぁ、必要なのはその途中に見えた玄関だが。


「玄関、あったね。よかった。結界魔法は外に出る前に使ってみよう。いざって時に使えないと困るし」


「そうだな」


目の前のまっすぐ伸びる廊下を進み、見えていた玄関で動きを止める。

アルフェは上をくるくる旋回している。

ここに止まり木があればいいのにな。

それより魔法はどうやって動かすんだ?

アルフェが超音波攻撃を使う時は、魔力を口に集めるイメージだと言っていたな。

結界は俺の周りに魔力が集まるイメージでいいのか?


「結界!」


どうだ?


「おっ! 出来た!」


何となくだが、俺の周りを何か硬いものが覆っているのが分かる。

おそらくこれが結界だろう。


「結界!」


アルフェも挑戦したのか?

大丈夫かな?


「私も出来た! なるほどね~、硬い殻に守られている感じになるんだ」


あぁ、殻か。

その表現の方が合うな。


「案外簡単に出来る物だな。少し拍子抜けした」


「そうだね。この調子で闇魔法も使えたらいいけどね」


「あぁ、そうだな」


えっと俺が使える闇魔法はダークショックとダークボールか。

ダークショックはちょっと分からないので、ダークボールを使いこなせるようになるか。

まぁ、余裕があったらダークショックも試したいが。

まずはダークボールで攻撃だな。


私が使える闇魔法はダークアローとダークボール。

ダークアローは闇の矢だよね。

どっちの方が攻撃力が高いんだろう?

矢に球か。

ん~、とりあえずダークアローで試してみよう。

もしかしたら、すっごい弱い攻撃力しかない可能性もあるもんね。


「開けるぞ」


「うん」


何度か玄関を開けたら魔物が近くまで来ていたことがある。

気を引き締めないとな。


ラルグが玄関に近付く。

……あれ?


「開かないね?」


「開かないな?」


今まで自動ドアだったのに、どうして開かないの?


「まぁ、これで知らない間に魔物が建物内に入ってくる心配は無くなったな」


建物内の安全が強化されたと考えるべきなんだろうな。


「そうだね。でも、どうやって出るの?」


「……とりあえず、何かボタンとか取っ手とか無いか?」


取っ手があったら困るんだが、俺もアルフェも使えないぞ。


「無いみたい」


「あ~、尻尾で扉を叩いてみるよ」


「うん」


ラルグの尻尾が扉に叩きつけられる。

ドンという音が広い廊下に響く。


「開かないね」


「そうだな」


さて、どうしたらいいんだ?

そう言えば、このゲームは声で選ぶ事もあるんだよね。


「扉よ、開け!」


なんちゃって……。

嘘でしょ、開いたんだけど。


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