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強制的魔王  作者: ほのぼのる500
強化1
10/58

10話

ガチャ、ガチャ、ガチャ……コロン。


ガチャポンから出てきた白いカプセル。


目の前には『開ける』『捨てる』のボタン。

捨てるというボタンがあるという事は、いつか必要になる時があるのか?

首を傾げながら『開ける』のボタンを押すために頭を伸ばす。

手が無いため、頭で押すしかない。

めんどくさい。


「決定! s*r¥dcr@k#」


「「はっ?」」


ギーッギーッ。

不明な言葉を聞いて唖然としていたら、不気味な音が空間に響く。


「今度は何だ?」


「この音も気になるけど。コウキはさっきの言葉を聞き取れた?」


「いや、まったく」


さっきの言葉だと思うけどまったく聞き取れなかった。

決定が日本語なんだから、もう日本語でいいじゃん。

なんであんな意味不明な……まさか、蝙蝠になってまで勉強しなくちゃ駄目なの?

えっ、それはものすごく嫌だ。


「ガッ……決定! 日本語です!」


「…………日本語だって」


あれ?

聞こえ方が変わった。

さっきよりはっきりと聞こえるような気がする。


「……そうみたいだな」


は~、だったらさっきの意味不明な言葉は何だったんだ?

まったく意味が分からない。


「よくわからないけど、よかったんだよね」


「そうだな」


「ねぇ、聞こえ方が変わったよね?」


私だけなのかな?


「アルフェもか?」


「うん。コウキも?」


良かった、気のせいじゃなかったみたい。


「あぁ、確実に聞きやすくなった。さっきも別に気にはならなかったが」


もしかして耳から聞こえていたのではなかったのか?

……そういえば、体が無い時から聞こえていたな。


「気にしないほうがいいかな?」


「そうだな」


「おめでとう! 只今より世界を3.3倍に広げます」


世界を3.3倍?

どんな世界かも知らないし。

そもそも世界がどの広さなのかも不明。

その状態で3.3倍に広げられても困るんだが。

それに0.3は何なんだ?


「本当に広げているのかな? まったく音がしないんだけど」


さっきまで壊れていくような音がしていたのに、広げると宣言した後は無音。

どうなってるの?


「完了!」


……終わったのなら、もうそれでいいか。

いつか、いろいろ分かる時がくるだろう。


「このゲームを続けていくと、スルースキルが上達するよね」


気にしだしたら止まらなくなるだろうな。


「そうだな。気にし始めたら前へ進めなくなるな」


気になることが多すぎるからな。


「さぁ! 世界の名前を決めよう! 回して! 回して!」


次は名前なのか。

それよりヴァンはまだ足りているのか?


「続けて出来るのは初めてだね」


大丈夫なのかな?


「世界や国が出来て、ヴァンの溜まる速度が上がったのかもな?」


「そうなのかな?」


順調に進むことはいい事なのに、どこかに落とし穴がありそうで怖い。

いきなりヴァンが足りないとか言われて、ペナルティを課せられたりとかしないよね?


「回すか?」


「大丈夫だよね? 続けて回しても問題ないよね?」


「……多分大丈夫だろう。回すしか、道がないしな」


そうだけど。

目の前にあるガチャポンを見る。

そう言えば、視力が悪いのにこれだけははっきりと見えるな。


「回すぞ」


「うん」


ガチャ、ガチャ、ガチャ……コロン。


「1つだね」


床に転がり落ちたカプセルを見る。


「あぁ、1つだけだな。俺たちの名前を決めた方法とは違うようだ」


転がるカプセルの前に『開ける』『捨てる』のボタンが出現している。

これって捨てるを選べば、もう一度世界の名前を決めるガチャが復活するのだろうか?

いや、もし次へ進まれたら世界に名前が無い状態になるな。

馬鹿な事は止めておこう。

『開く』を押す。


「決定! ゼブリタブリです!」


ゼブリタブリか。

……特に思うことは何も無いな。


「これが普通の名前なのか、それとも何か意味のある名前なのかさっぱり分からないね」


「そうだな。まぁ、ゼブリタブリなら覚えられそうだ」


無駄に長ったらしくないし。

覚えられるだろう。


「ヴァンが足りません、しばらくお待ちください」


良かった、ヴァンが足りないって出た。

さっきのは考え過ぎか。

それにしても不思議だな。

止まり木に摑まって逆さまなのに、疲れない。

この体勢だから、疲れそうなのにな。

蝙蝠の体って不思議だ。


「あ~! そうだよ、日本語に決まったんだった」


そうだ、日本語に決まったんだ。

なら、あれが読めるようになっているんじゃないか?


「びっくりした! コウキ、どうしたの?」


「いや、言語が日本語に決まったならステータスが読めるようになってるんじゃないか?」


そうだよ。

さっきは言語が決まっていなかったから表示が・・・になっていたんだ。

なら言語が決まった今なら、見られるはずだ。


「ステータスオープン」


ウィン


魔王名:ラルグ・デグ・シャルマス (1)

世界 :ゼブリタブリ

国  :漆黒の国(闇魔法10%アップ)


魔法:闇魔法(2) 毒攻撃(1)

スキル:毒耐性(1)、暗視、夜目(1)、嗅覚強化(1)、身体強化(1)


「よっしゃ~、読める!」


「本当? おめでとう。これでようやく名前が分かるね」


という事は私も見られるのかな?


「ステータスオープン」


ウィン


……クッソ~。

蝙蝠の目は本当に悪いんだな。

ぼんやりしか見えない。


「コウキ、名前が何かわかった?」


「あぁ、ラルグ・デグ・シャルマスだった」


「……そう」


駄目だ。

覚えられなかった。

えっと、フラグ?


「ラルグ・デグ・シャルマスだ。ラルグでいいぞ」


覚えられなかったのが、ばれてたみたい。

でも仕方ないよね。

馴染みのない横文字で長ったらしいだもん。


「ラルグね。わかった。コウじゃなかった。ラルグ、悪いんだけど私のステータス確認してくれる? 蝙蝠は本当に視力が弱いみたい。ぼやけてよく見えないんだよね」


「わかった。見るぞ」


魔王名:アルフェ・ラ・マッキ(1)

世界 :ゼブリタブリ

国  :暗黒の国(闇魔法15%アップ *特殊条件あり)


魔法:闇魔法(2)、飛行魔法(1)、超音波攻撃(1)

スキル:暗視、夜目(1)、探知能力(1)、魔力探知(1)


「俺たちは魔法が使えるみたいだ」


魔法?


「えっ! 魔法? 本当に? ねぇコウじゃなくてラルグ、魔法の使い方は分かる?」


「うわっ、ビビった! アルフェ、落ち着けって!」


アルフェの奴、急に目の前に飛んでこられたら、ビビるから!

というか、アルフェってそんなに魔法が使いたかったのか?

んっ、使い方?

あ~、そうだよな。

魔法を使うんだったら、使い方が分からないと駄目だよな。

ステータスに魔法があったから喜んだけど、使えないと意味がない。

えっと、ステータスには使い方は……載っていないな。


「とりあえず俺の魔法は闇魔法2に毒攻撃1だ。アルフェは闇魔法2に飛行魔法1に超音波攻撃1みたいだ」


ラルグが闇魔法に毒攻撃。

私が闇魔法に飛行魔法と超音波攻撃?

闇魔法は魔王だからかな?

ラルグの毒は蛇の中に毒を持つ種類がいるから?

私が飛行魔法を持っているのは、蝙蝠が飛ぶ生き物だからかな。

でも、魔法を使って飛んでいるの?

知らない間に魔法を使えているって事?


闇魔法に毒攻撃?

これ、どうやったら使えるんだ?

魔法……魔法……わからん。

何か説明があってもいいと思うんだが。

……期待するだけ無駄だな。


「私が飛んでいるのは魔法でなのかな?」


「ん? そうか飛行魔法を持っているんだったな」


「うん。でも魔法を使っている感覚はないけど。ただ、羽があるから飛べると思って飛んだんだけど」


つまり使えると思い込んだら使えるのか?

 

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― 新着の感想 ―
[一言] これ言語が日本語にならなかったら読めないまんまだったの!? なんという鬼畜ゲー……。
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