和泉さん家の瀟洒?なメイド
一週間投稿を守りたかった。
来週は忙しいので多分無理です。
ごめんなさいm(_ _)m
「貴方が光さんですね。奥様の命令でお迎えに上がりました。」
「・・・・。」
もう衝撃が多すぎて言葉も出ない。
え?だって、え?本物のメイドさん?コスプレとかじゃなくて?
実はドッキリだったりする?
「光くん?固まってどうしたの?」
五秒くらい硬直していると、奈緒さんが声をかけてくる。
「本物の、メイド、さん?」
「うん、そうだよ。」
「はい、その通りです。」
奈緒さんとメイドさんが同時に頷く。
「こちら、和泉さんの屋敷で働いてる巫神 深雪ちゃん。」
「よろしくお願いします。」
メイドさん改め深雪さんが丁寧に挨拶してくる。
「は、はい。よろしくお願いします。」
まだ動揺が抑えられていなく、ちょっと声が震えた。
「では、奥様がお屋敷でお待ちです。早速参りましょう。」
「え、でもまだお母さんに会えて「参りましょう。」
「あっ、はい。」
あれ、優しそうな人と思ったら意外と強引だ。
まあ、何か急ぎの用事でもあるのだろう。
メイドさんって忙しいイメージあるし。
「じゃあ、元気でな。健康には気をつけるんだぞ。」
「頑張ってね〜♪」
お父さんと奈緒さんのあまり暖かみが感じられない見送りを受けて、僕はマンションを出たのだった。
ちなみに、お母さんは顔すら見せてくれなかった。泣きそう。
「あ、普通の車だ。」
マンションの裏手に深雪さんが止めていた車を見て無意識のうちに呟いていた。
「リムジンだとでも思いましたか?」
「まあ、はい。」
「リムジンはご主人様と奥様、お嬢様専用ですから。」
でも、普通の車でも運転手がいるあたり、やっぱりお金持ちなんだろうなぁ。
「では、トラn、ゴホン。後部座席にお乗りください。」
・・・ん?なんか深雪さんトラ・・とか言ってた気がするけど、気のせいかな。
周りにトラックなんてないしなぁ。
「はい、分かりました。」
「・・・・・ちっ」
・・・え、なんか今舌打ちが聞こえた気が・・・。
いや、気のせいか。深雪さんはメイドさんだし舌打ちなんてしないだろう。
車に乗り込んでしばらく経った。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
あれ、なんか空気が重い。深雪さんも運転手さん(女性)も一言も喋らない。
「・・・あの。」
「・・・はい、なんですか。」
とりあえず、色々聞きたい事があるため深雪さんに声をかける。
「僕、屋敷に着いたら何すればいいんですか?」
「まず、奥様にご挨拶してください。其処で貴方の仕事や屋敷についてお話があると思いますから。」
「え、深雪さんは何か知らないんですか?」
なんか心なしか声が冷たい気がする。
「奥様から絶対に秘密と言われているので。」
「あ、はい了解です。」
・・・会話が終わってしまった。
こうゆう時ってどんな話をすれば良いんだろう。世間話でもしてみようかな。
「深雪さんはメイドになってどのくらい経つんですか?」
「・・・教える必要がありますか?」
「あ、だ、大丈夫です。」
・・・なんか今一瞬すごいオーラを纏った気がする。
な、なにか気に触ること言っちゃったかな。
間接的に年齢を尋ねてしまったからかもしれない。そんな意図は無かったんだけど・・・。
・・・そういえば、深雪さんの年齢って何歳なんだろう。
落ち着いた物腰と丁寧な言葉使いで二十歳くらいかなって思ってたけど、顔は幼く見える。
実は僕と同じくらいの歳なのかな?
「・・・あれ?」
「どうかしましたか。」
気がつくと全然知らない山奥に来ていた。
スマホを取り出して時間を確認すると、出発してから二時間も経っていた。
実家からは数十キロは離れているだろう。
・・・これ、転校しないとやってられないんじゃないかなぁ。
「・・・ここ、どの辺ですか?」
「お教えできません。」
「え、な何でですか?」
「貴方はまだお屋敷で働くことを認められていません。
お屋敷の場所を他人に教えることが出来るとお思いで?」
「あ、はい。ごめんなさい。」
「・・・はぁ、何で奥様はこんなデリカシーの無い人を・・・。」
「ご、ごめんなさい。」
「謝るくらいだったら最初からやらないでください。無駄です。
お屋敷で働くつもりなら無駄を出来るだけ省いてください。時間が勿体無いので。」
「はい・・・。」
・・・すごくメンタルに攻撃仕掛けてくるな、この人。正直、辛い。
これがこの人の素なのかな。めちゃめちゃきっついなぁ。
でも、ここでやめるって言ってもなぁ。家に帰っても・・って感じだし。
「いじめすぎよ。深雪ちゃん。」
そこで運転手さんが苦笑しながら深雪さんをたしなめる。
「自分以外の新しいメイドが来るといっつもそうなんですから。」
「・・・これくらいで辞めてもらっては、メイドの仕事は勤まりませんから。」
「そんな事言って。奥様に構ってもらえなくなるのが寂しいだけでしょうに。」
「美鈴さん!それ言わないでくれって言ったじゃないですか!」
「だって、このままだと深雪ちゃん新人に当たる嫌な上司みたいじゃない。
ちゃんと女の子らしい所も見せないと、尊敬されないわよ?」
「それとこれとは話が違うじゃないですか!」
・・・完全に空気だなぁ、僕。
まあ、深雪さんに嫌われてなくて良かった、と思うべきなのかなぁ。
「・・違いますから。」
「は、はい?」
「決して、貴方に嫉妬してる訳ではありませんから。決して。」
「あっ、はい。了解です。」
顔を真っ赤にしながら言ってきた。説得力は皆無だけど、これ言ったら怒られるよなぁ。
「顔が真っ赤よ。深雪ちゃん。」
・・運転手さん(美鈴さん・・・?)が言ってしまった。
「なってません!」
「なってるなってる。かわいいなぁもう。」
苦笑しながら美鈴さんがまた余計なことを言う。
真にデリカシーのない人はこの人なんじゃないかなぁ、
とゆう僕の思いを乗せながら車は走り続けるのだった。
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「良かったの?隆文さん、あんな雑に切り離して。結局おねーちゃんにも会ってないし。」
「ああ、あれで良い。」
「っと格好つけてるけど、めっちゃ目ウルウルしてますよ?」
「だって・・・だって・・・!」
「あ〜、めんどくさいモード入ったわ〜これ。」
「息子が・・・息子があんなに・・・自分の意思で・・・家を出て・・・!」
「バリバリ強制だったからね。拒否権ないとか言ったの貴方ですからね?」
「あんなに立派になって・・・お父さんは感激だ・・・!」
「駄目だこりゃ。何言っても無駄だわ。」
「奈緒さんも感じたでしょう?!あの息子の勇姿!なんて素晴らしいんだ!」
「あ〜ハイハイ。あとで光君の様子見にいかないとな〜。ショック受けてるかもだし。」
なんでこんな人が二回も結婚できたのかなぁ・・・なんて思いつつ、いつ光の元に行くか考え始めたのだった。
三件のブックマークありがとうございます。
良ければ感想もお願いします。
ちなみに、運転手さんの名前ある作品からお借りしたんですが分かりますかね?
(追記)11/4少し加筆をしました