表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
900/1622

第3章 絆 「竜騎士⑰」

空気がわずかに振動した気がした。


俺は体を前に投げ出す。


後ろでは、風を切るような音が鳴り、何者かの奇襲があったことを告げている。


そのまま身体能力にものを言わせて、距離をあけて対峙した。


2メートル近い巨漢と、細身だが両手に小振りの双剣を構えた女性。


予想通りのタイミングで、新手が来たようだ。


「今のを避けるか!?」


「·······························。」


無言の女性に対して、驚きの言葉を発したのは巨漢の方だ。身の丈と同じくらいの大楯を構えている。


声が高いのが見た目とそぐわず、緊張感を無くしてしまう。


見た目から言えば、盾使いと暗殺者という感じか。


俺はナックルナイフを破龍に持ち替えた。


ひゅっと、2人が息を飲むのがわかった。どうやら、かなり警戒をしているようだ。


俺は破龍を肩に載せながら、ゆっくりと近づいて行った。


「なぜ、俺に向かってくる?」


そう言ってみたが、明確な回答を期待しているわけじゃない。


ここで対話をしてくるかどうかを試してみたのだ。


「上の命令だからな。」


「·····················(こくこく)。」


反応した。


女性の方は黙りだが、首肯をしたことで、巨漢の言葉に同意をしている。


つまり、こいつらは本気で俺を倒そうという気はないとも考えられる。


相手を抹殺したり、倒すのが目的であれば言葉などはいらない。ただ、寡黙に仕事をこなせば良いだけなのだ。


「そうか。やめるつもりは?」


「悪いが、それはできん。」


「·····················(こくこく)。」


どうやら、悪い奴らではなさそうだった。


「そうか、残念だ。」


俺はそう言い終わる前に、間合を詰めた。


巨漢が前に出て、大楯を構える。


破龍を大盾に叩きつけるように投げ出し、ムーンサルトで巨漢の頭上をこえた。


大楯の前に飛び込んできた女性が視界に入る。巨漢の大楯で動きを止めて、女性が挟み込んで攻撃を加える。


狙いは鋭いが、少し意識が弱かった。本気で倒すつもりなら、相手の命を奪うくらいの気持ちでやらなければ、どうしても動きが緩慢になってしまうものなのだ。


俺は着地の体勢から体重をかけて、巨漢の首筋に肘を落とす。


一瞬動きを止めた巨漢が膝から崩れ落ちる頃には、女性に向けてSGー01を構えていた。


「·······················降参!」


両手を挙げてそう告げた女性に、俺は無情にも引き金を絞った。


ドン!


ランダーと同じように、胸間を撃たれて吹っ飛ばされた女性は、「嘘でしょ!?」とでも言うように驚愕に顔を染めていた。


よく覚えておいた方が良い。


降参とは、武器を手に握ったままするものではないのだ。


それがわからないようでは、今後生き残ることは難しいと知るべきだった。





おもしろい!早く続きが読みたい!と思っていただければ、広告を挟んだ下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いしますm(_ _)m




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ