第3章 絆 「竜騎士⑬」
胸間を射たれたランダーは、まるで映画のワンシーンのように後方に吹っ飛ばされ、何度か頭を地面に叩きつけながら静止した。
SGー01に装填されているのは、ゴムスタン弾を模した非致死性の弾薬だ。
ゴムの代わりに樹液を固めた物を使用している。ただし、それなりに強力なので、当たると絶対に死なないとは言い切れない。
まあ、俺を倒すとか言ってやって来たわけだし、それなりに鍛えられているだろうから、大丈夫だろう。
視線を移すと、ランダーはうつ伏せに倒れてビクッビクッと痙攣をしている。
···うん、大丈夫なはず。
俺は再び竜孔流の鍛練に集中することにした。
「マ···マルガレーテ様···ランダーが瞬殺されましたが···。」
「···推測で物を言ってはいけないと、いつも言っていると思いますが?彼は生きています。魔力の波動を見ればわかるはずです。」
「あ、はい。確かに···。」
「レーテ、次はあなたが行きなさい。」
「え!?私ですか!」
「あなたも、オヴィンニクのメンバーです。」
「あ···はい、行って···きます。」
レーテと呼ばれた魔法士は、顔を青ざめさせながらも、射るようなマルガレーテの視線を受けて素直に従った。
両手で体を抱え込むようにしたレーテを転移で送り出した後、そこから視線を外したマルガレーテは、目の前に展開した遠視の魔法ハイパロウピアの画像を注視する。
「魔道具。それに、神威術を使えると言うの?」
マルガレーテの視線の先では、座禅を組み、瞑想するようなタイガの姿があった。
「竜騎士どころの存在ではないということか?」
普段、表情を崩さないマルガレーテではあったが、その時には口角を上げて、妖艶とも言える笑みを見せていた。
まるで、恋い焦がれた相手と、ようやく出会えたかのような表情。
そして、その笑みを目撃したオヴィンニクの他のメンバーは、背筋が凍りつくような冷気を感じていたという。
竜孔流の鍛練を再び始めたが、またもや誰かが現れた気がした。
ゆっくりと目を開けると、黒に近い紫のローブをまとった女性が正面に立っていた。
また、気配を悟らせずに現れた。
これは、近づいてきたと言うよりも、突然現れたと言っても良いかもしれない。
転移か、それに近い魔法か?
どちらにせよ、確かめるのは次に誰かが現れる時になりそうだ。
女性魔法士との距離は、50メートルほどある。そして、どうやらすでに詠唱を始めているようだ。
魔法なら、とりあえず無視して良いだろう。
俺は再び目をつむり、竜孔流を体内に循環させることにした。
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