第3章 絆 「新天地③」
強制的にヴィーヴルから振り落とされた俺は、高さ数十メートルから落下した。
いや、このまま落ちたら死ぬし···。
地表との高さを目測する。
何やら魔物が多数いるが、とりあえず墜落死をしないように、タイミングを見計らって瞬間移動を行い、地面に着地した。
人同士の争いの場に落とされたらどうしようかと思っていたが、周囲は魔物の気配で埋め尽くされていた。
すぐに第五の竜孔であるアイーンを発動する。
ヴィーヴルですら効果がわからないと言っていたアイーンだが、3日間に渡る修練により、その一つは把握に成功していた。
右手を前に伸ばして肘を折り、平手を首に直角になるようにかざす。
下顎を尽き出して、発動のキーワードを放つ。
「アイ~ン!」
···恥ずかしい。
なぜ、俺がレジェンドのあの人の真似をしなければならないのか。
なぜか、他のキーワードでは発動せず、身ぶりまで似せなければらないことに不条理を感じる。
人前では絶対にやらないぞと思いつつ、その効果を確認する。
周囲約30メートルに存在する魔物の動きが止まっていた。
そう、第五の竜孔の効果は、威圧による機能停止。対象によって、その持続時間は未知数ではあるが、戦闘時の特殊スキルとしては、これほど有用なものはない。
俺は蒼龍を手に取り、オーガに酷似した魔物十数体を一瞬のもとに斬り伏せた。
すぐにGLー01を取り出し、後続の魔物に対して発射する。
密集地帯に5発ほど撃ち込んでいると、すぐ近くに殺気を感じて前に転がり距離を取る。
「!」
視線を巡らせると、先ほど斬り伏せたオーガ擬きが再生していた。
自己修復!?
初めてみる魔物の特性ではあるが、躊躇している暇はなかった。
怒濤のように攻めてくるオーガ擬きに対して、正面から立ち向かう。
武具を収納し、第六と第七の竜孔であるアージュナー、サハスラーラを発動させる。
アージュナーは戦闘時の並行思考、サハスラーラは意識の開放によるイメージの具現化を行うのだ。
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