第二章 亜人の国 「堕ちた英雄 vs エージェント再び③」
まだまだ、食事中の方はご遠慮下さい回。
テトリアは裸絞でホールドをされた瞬間、後ろに体重を預けて、後方に倒れこんできた。
さすがの反応と言えるが、フルプレートの鎧を纏っている俺には、何の痛痒もなかった。
2人分の体重を受けて、床に激突した鎧は鈍い音を響かせたが、その衝撃でテトリアの首に回していた俺の腕が完全に極った。
加えて、倒れこむタイミングでもう片方の手を使い、テトリアの顔面をこねくり回す。
鼻と口にババを大量に押し入れて、そのまま片方の目に指を差し入れ、倒れた拍子に第二関節まで沈めたのだ。
眼球を潰されたテトリアの絶叫は声にはならず、わずかに口内にあったババが飛び散った。
汚いし、臭い絵面ではある。
だが、ここで逃すと、テトリアを倒すことは、相当なリスクを背負うことになりかねなかった。
腕を引き、テトリアとの密着をさらに高めながら、抵抗の隙を与えないように、脇腹をショートストロークブローで滅多打ちにする。
下方から最下部の肋骨を打ち砕き、その破片が肺に刺さるように連打した。
ここまで密着すると、テトリアが得意とする硬化も回復魔法も、俺の特性で打ち破られてしまう。
口から吐血を始めたテトリアを見て、肺への損傷を確認した後は、両腕で首を締め上げる。
ゴッキイィィィ···。
首の骨が折れる感触が、腕から伝わってくる。
俺はテトリアの体を押し避けて、すぐにその場から離れた。
まずは、第一段階クリア。
物理的な死。
テトリアは、思念体として依り代とも言うべき体に憑依をしている。
ほぼ、オカルトとも思われるかのシステム。
勘弁して欲しいとは思うのだが、そんな儚い希望は通らないと考えていた。
WCFTー01をかまえて、火属性モードに切り替える。
引き金を強く絞り、最大出力による火炎を噴射。
ビシュォォォォォワァァァー!
超高熱のレーザービームが、テトリアの残骸に向かって走った。
テトリアの思念体が、エクトプラズムのような物であると仮定すると、それはある種のエネルギー体だと考えられる。
霊的なエネルギーが、レーザービームで消滅させられるのかは疑問だが、可能性があるのであればやるしかない。
エネルギー同士の衝突というのは、その質により変化する。
例えば、光と光をぶつけても何も起こらない。しかし、より高出力な光であるガンマ線同士をぶつけると、相対性理論により相殺されることは実証されていた。
これでダメなら、2番手3番手の対策は講じてある。
結果を見て、なりふり構わず攻めていくしかないのであった。
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