第二章 亜人の国 「魔王の鉄槌⑭」
ヘイド王国に鉄槌を下すと言っても、国王を暗殺する程度のことでは意味がなかった。
魔人を生み出すための薬物を開発しているのは、堕神シュテインの謀だと考えられる。国王1人がいなくなったところで、他に代わりが立てられ、同じ行為が繰り返されないとは限らないからだ。
故に、今回の場合は正面から戦いに踏み切った。
国対個人という、常軌を逸したものではあるが、自身が今持つ力を考え、戦略を練る。
まず、抗城戦のような状況に陥らす。
本来であれば、敵軍が間近まで迫り、危機を察知した守り手が、籠城策を苦慮するといったものではあるのだが、何分こちらは1人である。
正門だけを攻めれば、可能な限りの戦力で攻め出てくるのが定石だ。
カリスが製作した武具があれば、対抗できないわけではないが、弾薬代わりの魔石にも限界があり、物量で圧しきられる可能性や、頭上からの弓矢や投石による攻撃は避けたかった。
敵戦力を分散させるために、転移術を使って各城門を破壊する。
ここでは、爆裂に至る魔石が配合された炸裂球を使用する。
間を置かずに、次々と各城門に移動をして、炸裂球を投げつけた。
最後に破壊した東門でWCFTー01を取り出し、水属性に切り替えて水を噴射。門から続く通路を、半径50メートルの範囲で水浸しにした。
もちろん、駆け寄ってくる兵士たちは、水圧で吹き飛ばしておく。消防官の放水よりも、かなり強めの水圧なので、直撃した兵士は骨折なり、飛ばされた先で壁や地面に叩きつけられるなりで重症を負ったようだ。
一通り水を撒き終わったところで、WCFTー01を収納し、右手には破龍、左手にはスタンスティックを手に持ち、その場で待つ。
視界には、建物のあらゆる開口部から抜け出てきて、こちらへと突進する兵士たちが映った。
その場で待機をする。
可能な限り引き寄せて、最大人数を一網打尽にしてしまうのだ。
怒声がすぐ近くで聞こえるまで待ち、すぐにスタンスティックを、最大出力で水で浸された地面に押しつけた。
兵士達は一瞬で硬直し、間近な者は黒焦げになりながら倒れていく。
黒炭のようになった者、眼球が爆ぜる者など様々だが、視界には五体満足で立っている兵士は皆無となった。
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