表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
801/1622

第二章 亜人の国 「魔王降臨⑫」

「お取り込み中に失礼しまっす!」


俺は目の前の集団に向かって、大声をあげた。


服装が浪花商人風(と勝手に思っている)のままだったので、今回もそれで通そうと思ったのだ。


ただの自己満足だが、やりたいようにやる。


忘れてはいけない。


今はもう、組織に属するエージェントではないのだ。


他にどのような大義があろうとも、目の前の困っている人たちを助けたい。異世界に来てから、そう決めたのだ。


「通りすがりの商人、チャーリー·ババと申します。何か、お困り事のようにお見受けしますが、今ならキャンペーン中で、無料でお手伝いをしますよ。」


野郎共からは、とち狂ったオッサンがいる的な視線を受ける。


だが、一瞬の間の後に、集団の真ん中辺りから、女性の声がした。


「誰かはわからないが、助力を受けたい!」


状況に反して、意外と冷静な声音だ。


「逆恨みや妬みで、この集団に囲まれていると推察しますが、お間違いないでしょうか?」


「概ね、その通りだ!」


声だけで姿は見えていないが、なかなか胆力のある女性のようだ。冷静さも維持している。


「了解致しました。それでは、このクソ野郎共を殲滅すればよろしいのでしょうか?それとも、男性機能を剥奪する程度でよろしいのでしょうか?」


野郎共は、一様に呆気にとられた顔をしている。


「可能なのか?」


「可能です。得意分野ですから。」


「それでは頼む。結果は問わない。」


「承りました。」


俺はメガネをはずす動作の流れから、体を回転させて目の前の野郎に後ろ回し蹴りを叩き込んだ。


もちろん、人間が相手なので全力は出さない。


命を奪うことを躊躇っているのではない。コイツらは悪意をまとっているのだ。そんな奴等に容赦をする必要はない。


だが、全力でやると、今の俺なら無手でも相手の首や手足が飛び、体に風穴があくだろう。わざわざ返り血を浴びたいとは思わない。


それに、そういったシーンを目撃した女性に、人外生物だとでも騒がれるのはごめんだったのだ。


ようやく攻撃体勢に転じた野郎が剣を振りかぶってきたので、束を持つ手を片手でホールドし、もう片方の手で顎に掌底を打ち込む。


そのまま相手の手を引き、重心を崩した上で、近くにいる別の野郎の所へ放り投げた。


このタイミングで、集団の中からも剣戟や打撃音が響いてきたので、女性がまだ戦える状態であることがわかる。もしかしたら、仲間がいるのかもしれない。


剣を振り下ろしてきた野郎の攻撃を斜め前に踏み込んで避け、喉元に手を添えてそのまま押し上げて地面に叩きつける。喉輪落としだ。


左手から剣を突き刺して来た野郎の攻撃は流し、喉に手刀を入れた。


俺は囲まれないように、8の字を基本とした足運びをしながら、1人ずつ地面に沈めていった。


集団に囲まれた女性が拘束され、人質にでもされる可能性はあったのだが、焦っても仕方がない。囲まれてしまうと、完全に隙を無くすことができなくなり、いくらなんでもジリ貧となる。


もう少し耐えてくれよと考えたところで、集団の中から紅と白銀の何かが上に飛び出してきたのが見えた。


鮮血のような紅髪と、きらびやかな白銀の髪を持つ女性2人。


彼女たちは見惚れるような身のこなしで、野郎共の頭を足場にして再び跳び、こちらまで抜け出してきた。 


何とも、タフな女性たちだ。






おもしろい!早く続きが読みたい!と思っていただければ、広告を挟んだ下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いしますm(_ _)m。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ