第二章 亜人の国 「共生⑲」
スカイサーフィン。
足にボードを取り付け、さながら上空でサーフィンをするようなパフォーマンス。
奇しくもタイガは、異世界で初となるサーフィンに続き、このスカイサーフィンをも披露することとなった。
高波がシーサーペントの視界を遮ったタイミングで瞬間移動を行い、盾ごと上空に転移したのだ。
タイガはプロのサーファーでもなく、まして使用しているのは盾である。
そんなビッグウェーブになど乗れるはずがないのである。
すべてはシーサーペントに、一撃必殺のアタックを仕掛けるための布石。
盾への空気抵抗を巧みに操り、シーサーペントの真上に移動すると、空間収納から破龍を取り出し、盾を足の動きで離脱させる。
不安定な上空からの攻撃では、銃器の照準が定まらずにクリーンヒットは難しい。そして、蒼龍による居合いは、肝心の下半身の踏ん張りが利かない。
ならば、シーサーペントの強固な鱗を突き破るのには、頑丈な破龍しか選択肢はなかった。
タイガは破龍を逆手にし、両手でホールド。
全体重を乗せながら、微妙な位置調整を足の裏の空気抵抗で行い、狙いを定める。
ズーンっ!
飲み込もうとした対象であるタイガを見失ったシーサーペントは、わずかな時間だけ動きを止めていた。
その頭部に吸い込まれるように破龍が突き刺さる。
束の近くまでシーサーペントの頭部に埋まった破龍は、容易く相手の頭蓋と脳を破壊。
こうして、謎の冒険者···魔王タイガによるシーサーペント討伐は完遂された。
そして···。
「く···痛い···ケツが···割れた···。」
勢いよくシーサーペントの頭部に破龍を突き刺したタイガは、同時に激しく尻餅をついていた。
そして···ケツを···いや、割れているのは最初からである。
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