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【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
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第二章 亜人の国 「動乱①」

王国騎士団のフェミリウム将軍の派閥下にある将校たちも、今回のクーデターに疑問を持つ者は少なくはなかった。


なぜ今のタイミングで?


軍事的にも強国に囲まれ、魔物が蔓延る魔の森を背後に持つ王国にとって、短絡的な内乱は隣国群につけいる隙を与えることとなる。


それ故に、軍事力で支配するクーデターは、綿密な計画の上での実施となる予定であった。


しかし、突然の将軍の大号令により、王城を占拠するという大胆な行動が発起されるに至った。


城内の動きに敏い者であれば、その発端が王太子セインと近衛親衛隊長の不在、そして亜人との協議の目処が立った今だからこそと思う者もいる。


しかし、それにしても突然の事態である。


「将軍閣下は、どこぞの国と独自に交渉でも持ったのだろうか?」


他国の後ろ楯があれば、今回のような急変も頷けないこともない。


ただし、あのプライドの高いフェミリウム将軍が、他国と対等ではない関係を築けたりするものであろうか。


クーデターに対して他国の後ろ楯を持つということは、事後において対等な関係を築くということは困難を極める。


しかも、数ヵ国と接する王国の立地を考慮すると、後ろ楯となる国は一国だけというわけにはいかない。


近隣諸国は互いに牽制しあっている。


軍事力で均衡する隣国群数ヵ国と交渉を持つなど、可能であるとは思えない。


「将軍の乱心でなければ良いのだが···。」


ある将校は、自らの担当である場を制圧しながらも、先行き不安な思いにかられるのであった。




「魔王と···魔神の力を恐れたか?」


将軍が反旗を翻したタイミングを考えると、国王が思い及ぶ事象はそれしかなかった。


「恐れる?魔王や魔神など、私の敵ではない。」


異常なまでの自信をその表情に浮かべたフェミリウム将軍は、国王の言葉に異を唱える。


「聞かせろ。そなたがこのような暴挙に及んだ理由は何だ?」


将軍や将校たちに剣を向けられた国王ではあったが、冷静に状況を見極め、活路を見いだそうとする。


国王という立場である以上、武力による脅しになど屈する訳にはいかない。


種族の問題を棚上げにしていたとは言え、国主である。そして、国の将来を託せる後継者と、魔族の脅威をものともしない協力者を得た今となっては、自身の命など礎になればそれで良いとも感じている。


「武力だけで安寧を得られると考えている愚か者の思想とやらを、聞こうではないか。」


だが、その毅然とした態度が、謀反を企てた者の最後の理性を奪うこととなるとは、皮肉なものであった。


「愚王よ。貴様の時代は幕を閉じる。潔く散れ。」





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よろしくお願いしますm(_ _)m


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