第二章 亜人の国 「変革③」
「ま、まままままま魔神ですとぉ!?」
「タ···タイガ殿っ!魔神とは、あ···あの魔神かっ!?」
あの魔神が、どの魔神かは知らないですけど。
「そうです。あの魔神です。何か問題でも?」
「「「「「「「·····························。」」」」」」」
あれ?
みんな震えてるぞ。
「どうかされましたか?」
「···魔王に···魔神···。」
おお、国王の顔が蒼白だ。
「お···終わりです···この国は···。」
宰相の顔は真っ白だ。
大丈夫か?血の循環が止まったら死ぬぞ。
あ···セインは、その口を開けたまま硬直した表情はやめた方が良い。せっかくのイケメンが残念なことになっているぞ。
「さすがはタイガ様です。魔神すら配下にしておられるとは!」
満面の笑みで讃えてくるのは、当然リーナだ。
いついかなる時でもブレない。
いや、たまにはブレろよ。
「配下と言うわけじゃないけどな。まあ、カリスは一つの国を壊滅させたことがあるらしいから、魔法士としての実力は問題ないかと思う。」
「···違う意味で問題がありすぎです。」
宰相さん、ボソボソ話すのはやめて欲しい。悪口を言われているようで気になる。
もう顔が紫に変色しかけているし、宇宙からの侵略者みたいな表情になってきているぞ。
城を出た俺はクランハウスへ戻ることにした。
国との話し合いのお膳立ては無事に終わった。
しかし、どのようにして、その席を設けるかが問題となる。
とりあえず、ミンやアグラレスと連絡を取る手段があるかどうかだ。クランマスターのサブリナに相談をして、手段がないようならエルフの里に向かうことも必要かと考えていた。
「おかえり、タイガ。」
エルミアが笑顔で迎えてくれた。
本当の嫁なら、この笑顔で1日の疲れが吹き飛ぶのだろうなと思いつつ、挨拶を返した。
「ただいま、エルミア。」
「無事に終わったみたいだね。」
「なんとかね。そう言えば、エルミアはお父さんと連絡をする手段を持っていたりするのか?」
「あるけど、届いてもルービーまでしか無理かな。魔の森やエルフの里だと、はっきりとした方向がわからないし、魔力的にも厳しいと思う。」
魔石を使った通話方法があるらしいが、いろいろと問題があるようだ。念のために試してくれるとのことなので、お願いをすることにした。
おもしろい!早く続きが読みたい!と思っていただければ、広告を挟んだ下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけるとモチベーションが上がります。
よろしくお願いしますm(_ _)m




