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73話 学校に行こう⑩

風撃無双!


凄まじいスピードで警棒が衝撃波を出して氷柱を相殺していく。テレジアを狙っている分、攻撃が狭い範囲に集約されているので対処がしやすい。


しかし、ここで役得然るべきと考えた俺はテレジアにまっすぐに向かってくる氷柱のみを残して警棒を止めた。


風擊無双の限界という風に装って。


「タイガ、危ないっ!」


フェリが叫ぶ。


とっさに俺はテレジアの方を向き、その体を抱き締める。身を呈して守るため···という感じに見えるように。


「はぅ···。」


テレジアは息を吐き出しながら驚いた表情で俺を見るが、背中に氷柱をくらいながらも命がけで自分を守るタイガに感動をおぼえた。


「タ···タイガさん!?」


氷柱の連撃がおさまると、俺はテレジアの顔を見て


「大丈夫?」


と聞いた。


「は···はい。でもあなたが···。」


「大丈夫。頑丈だから。」


笑顔でウィンクして、ターナーの方を振り返った。


くぅ~、女の子の体って柔けぇ~。

それに良い香りがする。


モチベがアップした。




「貴様ぁ···許さんぞっ!」


ターナーが怒り狂っている。

テレジアにちょっかいを出したことが原因か?事故だよ事故。


「何に対して怒ってるのかは知らんが、不意打ちで生徒達を襲ったことを恥ずべきだろう。それとも最初からただの外道か?」


額の血管がピクピクしているが、怒りと比例して邪気が増大している。


「ハッ!」


俺に気を取られていたターナーにパティが後ろから踵を落とす。


脳天にまともに入った。


だが崩れない。


距離をおいたパティは両手のダガーを構える。


その時、ターナーの体に異変が生じた。

身体中の血管が浮き上がり、肌が青銅色に染まっていく。


「なっ···何これ!!」


「パティ、離れろ!」


俺が言うとパティはターナーに眼を向けたまま後退する。


「フェリ、障壁は作れるか?」


「うん、大丈夫よ。」


「みんなを守ってやってくれ。あと先生はいますか?」


「は···はい!私です!!」


「スレイヤーギルドのタイガです。生徒のみんなに指示をお願いします。戦う必要はありません、防御と負傷した人がいたら回復だけに専念してください。」


「わかりました!」


「タイガはどうするの?」


フェリが心配そうに聞いてくるが、あっさりと答えた。


「あいつを倒してくる。」




タイガは知らなかった。


後ろに控える生徒達と先生が尊敬と敬愛の眼差しで自分を見ており、何名かの女生徒がこの黒髪の青年にときめいていたことを。


この日からフェリの苦悩はさらに加速した。








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