第二章 亜人の国「清廉なる魔王⑰」
「それで、その外務大神だったアトレイクは、神界の最大派閥に嫌われて堕神になったと。」
「その辺りは知っているんだね?」
「本人?から聞いたことがある。」
「そう···それで、あなたはアトレイク様にどうやって見いだされたの?」
ヴェルザンデイの存在についてはわからないことも多いが、特に害意はないと判断した。
むしろ、開襟しないと話が進まないだろう。
「···というわけだ。」
異世界から転移したことや、テトリアとの関連について話をした。
「ああ、なるほどね。神格化したのも頷けるよ。」
「そうなのか?」
「そうだよ。テトリアのことは知っているけど、神格化する以前に戦神と呼ばれていたらしいし。」
「戦神ねぇ···。」
「戦闘力は凄まじかったもの。」
「いまいち神の概念がよくわからない。」
「神格化するというのは、真神からの強い推しも必要だけど、下界でどう讃えられるかも重要な要素だからね。」
あまり興味がないな。
「アトレイクは真神なのか?」
「ええ、そうよ。堕神でも、まだ神界に籍は置いているもの。」
「最近は存在を感じないが?」
「神会質疑に呼び出されているみたいだよ。」
神会···国会質疑みたいなものか。
汚職でもやらかした政治家みたいだな···。
「そうか···そろそろ本題に戻ろうか。」
これ以上、神の世界のことは深く聞かないようにしよう。幻滅しかなさそうだ。
「え、本題って···何だっけ?」
おい···。
「ヴェルザンデイが神格化したことまでは聞いた。先見の巫女について教えて欲しい。」
「あー、そうだね。先見の巫女は、運命の女神である私からの予言の代弁者だよ。」
「ヴェルザンデイは、なぜこの国に予言をおろすことになったんだ?」
「賢者から神格化した私は、この大陸の様々な側面を見てきたんだよ。そこで人族の暗い一面を感じた。」
「選民思想的なものか?」
「そう。亜人種も似たようなもので、他の種族よりも自分たちが優れていると思う者が多いのは事実だった。だけど、国外の状況に目を向けると、この国では考えられない非道が人族によって行われていたんだ。」
亜人種を虐げて迫害し、場所によっては奴隷化して扱うといった内容だ。
地球の歴史と何ら変わることのない史実だが、聞いていて気持ちの良いものではなかった。
「私は神格化した自分の力を使って、人族と亜人種が対等な関係を築ける世界にしたかったの。」
「だから先見の巫女として、この国の政を誘導していたと?」
「そう。いくら女神だといっても、私は亜人種であるハイエルフ。表に出ても、この国にもいる人族至上主義の人達には聞く耳を持ってもらえない。だから、王族の中から特殊なスキルを持つ人たちを媒介にして、大勢に影響力を持つことにした。」
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