第二章 亜人の国「清廉なる魔王⑫」
「我が国は現在、未曾有の危機に晒されておる。」
「···魔族ですか?」
「そうだ。これまで、国内で魔族が現れることがなかった訳ではない。しかし、数年に一度の割合、しかも単体での出現でしかなかったのだ。」
「その単体への対処はどうされていたのですか?」
「王国騎士団の大隊以上で対応しておった。もちろん、犠牲は少なくはなかったが、民への被害は最小限に抑えていたつもりだ。それが半年程前から、魔族の出現頻度が明らかに高まってきたのだ。」
「半年程前···ですか。」
「理由は未だにわからぬ。我が国は一方で魔の森を抱えておるが、そちらから出現しているのではないというのは調査でわかっておる。しかし、奴等がどこから現れているかが不明のままなのだ。」
「魔の森からの出現ではないという明確な理由は何でしょうか?」
「魔の森方面には、予てより監視体制をしいておる。もし魔族がそちらから出現しているのであれば、その監視にひかかっているはずなのだ。」
確かに魔の森から魔族が出現すれば、目撃情報がまったく出ないというわけにはいかないだろう。近くには街もあるのだ。
「我々は、魔の森には魔族がいないと仮定している。理由は···これは推測でしかないが、亜人達の存在ではないかと考えておるのだ。」
「その推測の根拠をお教えください。」
「魔王だ。」
出た。
出てしまった。
「魔王ですか?かつて亜人達を統率したという、あの?」
「そうだ。魔王が復活しているのであれば、魔族も迂闊には手出しができぬと考えておる。」
復活って···。
やはり魔王の存在は、ファンタジーに有りがちなアレか?アレなのか?
「魔王が復活したというのは本当でしょうか?それに···魔王とは、それほどの手練れなのでしょうか?」
魔王については、ミンやミーキュアからもいろいろと聞いてはいる。だが、人外的な力を持つイメージを俺は持っていない。
それこそ、日本の歴史に存在した某尾張のうつけ者程度の認識だ。
まぁ、彼は戦国の覇者だから、そういった能力やカリスマに秀でている人物なのは当然なのだが。
それとも、やはり魔王は魔王なのだろうか。
基準がいまいちわからなかった。
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