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70話 学校に行こう⑦

「でもテレジアさんらしいわ。彼女は家柄とか関係なく強い人に興味を持つの。男女関係なくね。」


男女関係なく、というところをなぜか強調してフェリが言う。


「そうなのか?」


「魔法も剣もかなりの腕よ。ランクBクラスが相手ならそれほど苦労をせずに勝てると思うわ。」


リルも同調する。


「入学当初はお兄ちゃんにご執心だったけど、結婚したら興味がなくなったみたい。」


···それって強い男が好きってことじゃないのか?どうでもいいが。


「彼女には家が決めた許嫁がいたんだけど、相手があまり強くないから婚約を破棄したって噂もあるの。」


フェリが周りを気にしながら小声で話すのでそれにならう。


「大公の息女なのにそんなことで婚約破棄とかありえるのか?」


貴族の息女は家の繁栄のために婚姻を交わすというのが通例だ。


「大公家ともなると権威を高める相手というのは家柄ではなく個人の能力が重視されるのかもしれないし、正直わからないわ。ギルバート家みたいに自由恋愛推奨かもしれないし。」


確かにそうだ。


国王の次に権威を持つ大公家をさらに繁栄に導ける相手となると、王の直系か公爵家くらいになる。家柄ではなく、実務能力が高い人間の方が将来的には大きなプラスになると考えてもおかしくないのかもしれない。


あれっ?


そうなると自分にふさわしい結婚相手を探しているということなのか?


それにギルバート家は自由恋愛による結婚が推奨って···。


俺の中での貴族のイメージが少し変わった。




「!」


会話の途中に先程と同じ悪意を感じた。


反応が強い方を見る。


白衣のひょろっとした男性。

眼があった瞬間に立ち去っていくが、視線はおぼろげなものに見えた。


やはり悪意の中にわずかながら邪気を孕んでいる。悪意を感じられない者では気づかない程度のものだが···。


「あの白衣の男性は誰か知ってる?」


食堂を出て行こうとする男性のことについて聞いた。


「白衣?ああ、マイク·ターナー先生よ。系列の大学で薬学を教えてる人で、この学院でも非常勤講師をしているわ。」


「薬学って魔法にも関係するの?」


「魔法による精製術があるのよ。ポーションとかの作成に役立つわ。」


「ターナー先生って、確かテレジアさんの元婚約者って噂がある人よね。いつも寡黙な人だからあまり目立たないけど···あの先生がどうかしたの?」


「いや、ちょっと白衣が珍しいなと思って···。」


確証はないのでとりあえず誤魔化した。





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