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6話 異世界には異世界の脅威があった②

合流地点が見えてきた。


銀髪の女の子と、桃色髪の妖艶なお姉さん、それに金髪のゴツいおっさんの三人組だ。


そして後方から空を飛んでくる赤髪の男・・・何でもありだな、おい。


赤髪の男は三人の背後に迫り、邪悪な笑みを浮かべながら剣を構えていた。殺気はないが、間違いなく攻撃態勢に入っていると見るべきだろう。


アッシュは俺のスピードについてこれずに遅れている。三人は前から走ってくる俺に気を取られており、後方から迫る赤髪の男には気づいていなかった。


赤髪の男が銀髪の女の子に向かって剣を振りかざそうとしたため、咄嗟にそれに向かって跳躍した。


他の三人は頭上を飛び越えた俺を視線で追うことで、初めて後方の存在を認識したようだ。


15m程の距離を一気に詰めて飛び膝蹴りを赤髪の顔面にぶちこんだ俺は、そのまま剣を奪い取り、地面に落ちた相手を抑え込んでいた。


「えっ、何!?」


「魔族!?」


「何だ、今の動きは!?」


三者三様の反応だが、やはりこの赤髪は魔族らしい。


「無事か!?」


すぐに追いついてきたアッシュが状況を確認する。


三人は俺とアッシュを交互に見ながら、何が起こったのかを悟ったようだ。


俺は外野の混乱に流されずに魔族に集中した。


どんな力を持っているのかわからない状況なので、すぐに命が絶てるよう隙は作らない。


「アッシュ、こいつはどうしたらいい?」


目線を魔族に向けたまま聞くと、アッシュを含めた四人が俺と魔族に視線を送ってきたのが気配でわかった。


「ぐう、貴様は・・・一体何なのだ・・・」


魔族が苦しそうにそう吐き出した。


膝で頸動脈を押さえつけ、片腕は関節を逆方向にねじりあげている。


奪った剣は動脈に当てている。人間と急所が同じであれば妙な真似はできないはずだ。鼻と口からは、おびただしい紫の血が流れていた。


鼻骨と上顎が陥没しており、普通の人間なら意識を保てないほどのダメージを与えた。それなのに普通に話ができていることがおかしい。


「タイガ、すぐに始末しろ!」


アッシュが叫んだ。


声に焦りの色を感じて剣に力を入れようとした瞬間、赤髪の体に異変が起こった。


急激に体が盛り上がり、それと同時に禍々しいオーラに包まれる。


「まずいわっ!」


妖艶なお姉さんがきれいな顔を歪めて叫ぶと同時に、俺が手にした剣が真っぷたつなった。



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