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【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
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第二章 亜人の国「エージェントは冒険者を目指す③」

何だコイツ···頭でも打ったのか?


豹変したダニエルの態度に気持ち悪さを感じた俺だったが、とりあえず無視をして、下ろされてきたロープに負傷者をくくりつけて引き上げてもらう作業に入った。


本来なら渓谷の向こう側に渡るため、リーナ達の所に引き上げてもらうことは二度手間になる。しかし、渓谷の底には、まだ遠目に大蜥蜴の存在が見えるため、治療の場としては相応しくなかったのだ。


「タイガ様、引き上げてもよろしいでしょうか?」


ダニエルの言葉遣いに違和感を持ちながらも、引き上げてもらうために合図を送った。




「あの···。」


周囲警戒のために、他の者達を先に上がらせて大蜥蜴の動向を見ていると、負傷者を庇いながら戦っていたエルフの女性が話しかけてきた。


浅黒い肌に、白銀の髪。まだ16~7歳くらいに見えるが、長命種のエルフだ。自分よりも年上なのかもしれない。


顔つきじたいは可憐な感じだが、凛とした瞳が内面の強さを感じさせた。


「何かな?」


応えると、突然頭を下げられた。


「ありがとうございました!」


「え?ああ、ヘカトンケイルのことなら、もともとやりあうつもりだったから···礼を言われるようなことじゃないよ。」


「いえ···父を助けていただきました。」


ああ、あのエルフのおっさんがお父さんか。


「それもついでだから。気にしなくて良いよ。」


頭を上げた女性は、じっと俺を見つめてきた。真剣な瞳だ。


「普通は···ダークエルフの私たちに、それも猛毒を吸いだすような命がけの真似をする人などいません。」


どうやら、彼女も闇を抱え込んだ1人らしい。歴史を紐とけば無理のないことではあるが。


「俺は種族が何であるかなどは気にしていない。敵だったら戦うし、そうでなければ協力しあえれば良いと思ってる。」


驚いた顔をしている。


もしかして、助けたことに何か意図があるとでも思われているのだろうか?


そうであれば、やはり彼女達の闇は深いのだろう。


「タイガだ。よろしくね。」


俺は彼女に微笑んだ。


彼女達の闇が理解できるなどという、烏滸がましいことを言える訳がなかった。


少し卑怯な気もしたが、笑顔で濁したのだ。






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よろしくお願いしますm(_ _)m。

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