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65話 学校に行こう②

ギルマスの執務室を出た。


階下のホールに下りるとリルが手を振っている。パティも一緒だ。


「おはようリル、パティ。昨日はありがとう。」


歓迎会のお礼を言った。


「おはようタイガ。昨日は楽しかったわ。」


「おはよ。昨日の試し斬りすごかった。」


笑顔で返してくれた。 


二人ともタイプは違うが本当に美人姉妹だ。


「げへへへ。二人とも俺のものにしてやる~。」


なんて言ったらリルに昏睡させられるんだろうなぁ。言わんけど。


「アッシュから身分証をもらった?」


「うん。リルには感謝してる。いつもいろいろと配慮してくれてありがとう。」


「ふふっ、お礼ばかりね。やっぱりタイガは変わってる。」


「そうかな?」


「貴族もスレイヤーの男性もそんなふうにあどけない笑顔でありがとうって言う人はいないもの。」


「確かにタイガは変わってる。なんかあったかい感じ。」


姉妹揃ってそんな感じに誉められたらテレるぞ。


「かわいい、照れてる。」


「いや、からかわないでくれ。」


つい後頭部をかいてしまった。


こちらの世界に来てから変な気負いがなくなっていたのは自覚している。


知らない間にコミュ力がアップしているようだ。




リルは図書館に案内をしてくれるために待っていてくれた。


学院に向かいながらいろいろと話をする。


魔導学院の魔法学科特別講師も勤めているとのことで、今日は授業の打ち合わせがあるらしい。


「学院に着いたら私は職員室に行くけど、パティが案内をしてくれるわ。ランチは食堂が使えるから一緒に食べましょう。」


「わかった。パティよろしくな。」


「うん。りょーかい。」




身分証を提示して学院に入る手続きを済ませた。


首からかけるパスカードをもらい、職員に言われた通りにスレイヤー認定証であるネックレスも見えるように服から出す。


リルと別れて図書館に向かった。


休み時間なのか、結構な数の生徒を見かける。


チラチラとこちらを見てくる生徒がいるが、視線は俺ではなくパティの方を向いてる気がする。


学生もパティのプリプリなお尻に魅せられているのか!と一瞬思ったが、女生徒も同じような反応だったので違うようだ。


「あれ···パティ先輩じゃない?。」


二人組の女生徒からそんな声が聞こえてきた。


パティはそっちに向けて手を振っている。


「やっぱりパティ先輩!お久しぶりです。」


「久しぶり。」


かわいい笑顔で後輩の挨拶に答えている。


どうやら少し前に卒業をしたばかりのパティは学院の人気者のようだ。




「そちらのかたは?」


「ん?···タイガ。私のパートナー。」


へっ?


パートナーって何の?


いつの間に?


「えっ?スレイヤーの方ですか!?」


そう言って俺の胸元にある認定証を見た。


「ね、ねぇ···あの色、ランクS!?」


「「「「「ランクSっ!?」」」」」


周辺にいた全生徒が目を見開いて叫んだ。









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