第二章 亜人の国「 ダークエルフ⑧」
「リーナ様から離れなさいっ!」
「···聖なる力で神を冒涜する者を拘束せよ。ホーリーバインドっ!」
また新手が来た。
それぞれが白と黒系のローブを羽織った女性二人組。
白いローブのゆるふわヘアの娘が詠唱を終わらせ、魔法で俺を拘束しようとしてきた。
5本の白い光が伸びてきて、俺の手足と首に巻きつこうとするので、ナックルナイフを抜いてそれらをさばく。
実際には、ほっといても体に触れた時点で魔法は消滅するのだが、それだとこの世界の常識では非現実的過ぎるので、演技をしておいたのだ。
「う···嘘···聖魔法を武器で打ち消すなんて···。」
ショックなのか、ゆるふわちゃんが何かを言ってるが、無視してゆっくりと近づいていく。
さすがに、女の子に腹パンはまずいわな···。
そんなことを考えていると、黒いローブの方が詠唱を始めていた。
「···煉獄の炎で邪悪なる相手を焼き消せ。ファイアートルネードっ!」
寒っ!
スレイヤーでも詠唱を必要とする奴が多かったが、もっと短くて、かけ声じみたものばかりだったのだが。
あの長い詠唱は、聞いてるこっちが恥ずかしくなる。
it's fantasy.
「あ···。」
余計なことを考えていると、煉獄ちゃんの放ったファイアートルネードとやらに包まれた。
「そのまま焼失しなさいっ!」
一部の人が悶えそうなアニメ声で、過激な発言をする煉獄ちゃん。
でも、魔法は効かないのだよ。
俺を包んだファイアートルネードとやらは、体に触れた瞬間にかき消えた。
「···へ?···嘘?」
へなへな~と腰砕けになる煉獄ちゃん。
青ざめた顔のリーナ、呆然自失のゆるふわちゃん、そして腰砕けの煉獄ちゃん。
この状況だと、完全に悪役じゃん···。
「そこまでだっ!貴様のような愚劣な存在は、俺が淘汰する!!」
またまた新手が来た。
槍を手にした、長身イケメンくん。
とりあえず、この場は早々に終わらせよう。めんどくさいし。
「聞いて驚けっ!我こそは国一番の槍の英傑、ダニ···。」
腹パンっ!
「ぐっ···うぅ···おおおええぇぇぇぇ···。」
ダニ何とかくんが名乗りを上げようとしていたが、興味がないので、とりあえず一発かましておいた。
しばらく様子をうかがうが、もう新手は来ない。ようやく、打ち止めに至ったようだ。
それにしても···どうしようか、この状況···。
俺はうめき声と反吐の臭いが充満する地獄絵図の中で、そっとため息を吐いた。
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