第二章 亜人の国「 ダークエルフ③」
アグラレスから聞いた話から推測すると、現在地はおそらく、魔の森の真ん中辺りだろう。
薫製の煙を狼煙代わりにすることで、足跡を残していた人間を誘導することができた。
連合から逃亡した亜人か、ダークエルフと呼ばれる者達のどちらかだろうと予想はしていた。
人族の冒険者という可能性もないわけではなかったが、足跡や形跡をみる限り、何かを目的として動いていると言うよりも、一定の範囲を生活拠点としている動きに感じられていたので、確率は低いと思っていたのだ。
結果として、ガイとリリィに出会うことができたのは僥倖だと言える。
「それにしても、よく1人でここまで来れたものだ。」
「本当に···運が良かったのですね。」
2人が普段生活をしているという拠点に招かれたので、そちらに向かっていた。住民は100人に満たないが、集落が出来上がっているらしい。
「何かあるのか?」
「エルフの森からこちらに来たのであれば、その途中にオルソドロがいる。よく襲われなかったものだと思ってな。」
「オルソドロ?」
「身の丈が5メートル近くもあって、恐ろしいほどの膂力を持っている魔物です。中級程度の魔法では傷一つ負わせることもできませんし、巨体に似合わず移動速度も人間の比ではないので、災害級と言っても良いほどです。」
中級魔法とは言っても、それなりの破壊力を持っている。スレイヤーのほとんどは、そのレベルの魔法で魔族に対抗をしているのだ。
「俺たちの仲間も、年に数人は奴の犠牲になっている。鼻が利く上に、行動範囲も広いので厄介な敵だ。過去に何度かエルフの森に向かおうとしたこともあったが、奴のせいで果たせずにいた。」
「そんな魔物は見かけなかったな。どんな外見をしているんだ?」
「金色の熊です。」
「···え?」
「陽の光で輝くような、金色の被毛をした熊だ。」
奴か···。
「そいつなら出くわしたぞ。」
「「え!?」」
「確かに光輝いていた。何の冗談かと思ったくらいだ。」
「よ···よく、ご無事で···。」
「1人で逃げおおすとは、すごいな···。」
「え?いや、倒したぞ。」
「「え!?」」
「不意打ちで脳天を殴ったあとに、黒焦げにしておいた。」
「「···························。」」
うわ~、2人にドン引きされてるわ。
「タ···タイガさんは、上級魔法士なのですか?」
「いや···その前に、奴の脳天を殴ったって···。」
魔法が通じないって、もしかしてあれか?
金色の毛が魔法を防ぐのか?
アルミホイルが電波を反射するみたいな感じで。
脳天と言っても、眉間に近い部分だったから、毛が少ない急所だったとか?
いや···現実逃避は良くないな。
カリスが調整した雷撃の魔石が、上級魔法に匹敵する凶悪な物だった可能性が高い。
いや、間違いなくそれだろう。
アイツは何て物を作るんだよ···。
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