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【完結&1109万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?
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第二章 亜人の国「 エージェント vs 魔神⑨」

一筋の光線が地表に突き刺さり、すぐに消失した。


その様子を見たミンは、そっと安堵のため息を吐く。


タイガには魔法が効かない。しかし、今回の相手は魔神。想定外の事態が起こらないとは限らなかったからだ。


そう思ったのも束の間、すぐに新たな魔法陣が視界に入った。


「聖属性魔法···あれは、ゴーレムっ!?」


傍らで見守っていたミーキュアが叫んだ。


魔法で生成するとは言っても、ゴーレムの攻撃は物理攻撃そのものである。魔法が使えないタイガにとっては最悪の敵と言ってもいい。


しかも、同時に精製されている核部分は、地上から数十メートルの位置にある。魔力量が尋常ではない魔神だからこその巨大ゴーレム。


ミンやミーキュアが知る限りタイガの攻撃手段は、体術か武具を使用した近接戦闘のみである。


「詰んだわ···いくらなんでも、あれはムリ···。」


後ろからイリヤの悲壮な声が聞こえてきた。




まるで、数十階建てのビルが形成されるかのような質量。


カリスの魔法で姿を現しつつあるゴーレムの巨大さに、俺の顔はひきつっていた。


『あれは···キツイ···。』


あんなスケールのゴーレムに殴られるか踏まれでもしたら、その瞬間に原型なく散る。


魂の盟約を結ぶ際に、「特に抵抗することなく、全力の魔法を受ける。」的な内容で確定してしまっていた。魂の盟約とは諸刃の剣だ。今更ながら、軽はずみに使うべきではないと反省する。


抵抗すれば、盟約に反してしまう。それはすなわち、自らの死だ。


さて、どうしたものかと思考を巡らせていると、カリスの声が聞こえてきた。


「ククク。さあ、必死に抗うといいよ。無様に駆け回って、赤い染みにでもなれ!」


ご丁寧に魔法で拡声でもしたのか、遥か上空から嘲るような言葉を放っている。


確かに窮地だ。


しかし、カリスの不用意な言葉で状況は好転した。


「抗って良いのか。それは助かる。」


俺は、魂の盟約をリライトした。


「また何かの小細工かい?無駄だよ。君はここで跡形もなく消えるのだから。」


勝ち誇ったドヤ顔でカリスは言う。それに対して、俺はこう返した。


「寝言は寝て言え。」










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