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【完結&1114万PV突破!】エージェントは異世界で躍動する!  作者: 琥珀 大和
エージェント、またどこかに飛ばされる!?

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第二章 亜人の国 「エージェントの二つ名④」

「二つ名を見る前に、ここから下ろしてはもらえないのか?」


「···そうね。ブレドやネルシャン隊長達もいるし···かまわないわ。」


ミーキュアがそう言ったので、ネルシャンが目で促し、クソソン達が俺を吊るしていた縄をほどいた。


だが、縛られた手首はそのままで、床に転がされる。


「···························。」


無言ではあったが、クソソン達の目には明らかな敵意があり、警戒をしていた。


まあ、これで自重による痛みからは解放されたので、良しとするべきだろう。


これからの不測の事態に備え、相手の戦力をはかる。両足は自由なので、蹴り技主体で何とかしなければならない。


魔法が通用しない体というのは、こういった時に余計な弊害がなくなるので、有用とも言えた。


この中で肉弾戦が得意なのは、間違いなくブレドとネルシャンだろう。人間より、はるかに強靭な肉体を持っている。しかし、魔族ほどの驚異は感じられない。見に纏うオーラが格段に下がるのだ。


サキナの親父であるディセンバー卿の方が格上に思えた。まあ、あのオッサンは、国王を差し置いて、覇王とか呼ばれている人外指定されていそうな生き物だから、比べたらかわいそうかもしれないが。


とにかく、今の俺ならば足技だけでこの二人には対処ができる。クソソンなどは、相手が気づかないうちに、ハゲ頭をぺしぺし叩ける程度の実力だろう。


「余計な考えは起こさないことだ。貴様は我らにとって敵だ。不審な振る舞いをした時点で、命はないものと思え。」


そんな思考をする俺を見て、ネルシャンが威嚇するように言ってきた。


ふん、ガチガチだな。


これが亜人連合の思想そのものであると言うのであれば、未来を見据えた発展など夢物語だ。こいつらは、鎖国状態で周囲から置いていかれるだろう。


「それじゃあ、二つ名を見せてもらうわよ。」


「魔力を使って見るのか?」


「違うわよ。上位精霊ベントに力を借りるわ。ベントは、対象の本質を見抜く土の精霊なの。そもそも、あなたには魔力がないのだから、魔法による力は無意味でしょ?」


さすがは異世界。


ファンタジー的な要素には事欠かないようだ。




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