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492話 天剣と呼ばれた男①

「どう、使い心地は?」


「バランスが良い。初めて振ったとは思えないくらいしっくりとくるよ。」


ニーナの工房で、新しいバスタードソードを試した。


以前の魔族からのお下がりも、ニーナの改修で使い勝手は良かった。だが、これはまったくの別物と言えた。


俺の握力や体格、剣筋から身体能力に及ぶまで、ニーナ独自の視点で鍛え上げられた完全な一点物。


重心や全体のバランスが緻密な計算の基に形作られており、見た目のゴツさと相反して重さを感じない。カスタムしたランニングシューズと同じような馴染みかただ。


「前の物よりも動きにキレが出てる。ちょっと不安だったけど、大きな問題はなさそうね。」


「問題どころか刀に近い振りができるし、前のバスタードソードに比べて耐久性も大幅に上がったようだから戦術も広がるよ。」


「ありがとう。それは、相手の鎧や剣を叩き折るソードブレイカーよ。蒼龍と対にして、破龍と名付けたの。」


「最強種の名を冠した剣か···恥じない結果を出すよ。」


「あなたに相応しい剣を、と思って作ったの。世界最強のスレイヤーさん。」


そう言ったニーナに、潤んだ瞳でみつめられた。


ドキッとした。




ニーナの工房を出てから、銃のホルスターと剣帯を一緒にできないか思案しながら歩いた。


「一緒にすると嵩張るな···銃はやはり別にするべきか···。」


などと、ブツブツと呟いていると、神アトレイクが話しかけてきた。


『武具の装着で悩んでいるのか?』


「そうだ。新しい武器を身につけようと思っているが、結構嵩張るから効率の良い装備の仕方を考えている。」


「ふむ···時に、そなたの出生地では敵と相対する時に放つ掛け声のようなものはあるのか?」  


は?


なんだそれは?


「掛け声ねぇ···いてまうぞ!ゴラぁ!!とかかな。」


『ほう、他には?』  


「なめとんかぁ!ああっ!!とか。」


『ふむふむ、他はどうだ?』


···何なのだ。


「永眠させるぞ!」


『あと一つ。』


「ケ○の穴に手を突っ込んで、奥歯をガタガタいわしたろうか!」


『よし、完了した。』


はい?


「完了したって···何をだ?」


嫌な予感しかしない···。


『転移術の応用だ。テトリアの鎧と同じように、設定したキーワードを唱えることで亜空間に作った武器庫から瞬時に武具を取り出せるようになった。収納も同じキーワードで可能だ。』


「························。」


『どうした?絶句するほど嬉しいのか?』


「························。」


『感謝するが良い。ホッホッ···まっ、待て待て!なぜ、ピアスを外して投げようとする!?』


確かに便利だが、キーワードがアホ丸出しだろうが!


この堕目神がっ!!






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