42話 異世界生活の始まり⑨
翌朝、リルとフェリがホテルまで迎えに来てくれた。
今日は街を案内してもらう予定だ。
「「!!!」」
フロントから連絡を受けてロビーに下りていくと、俺を見た二人が目を丸くしている。
「んっ、何かな?」
「···タイガだよね?」
フェリが恐る恐るといった感じで確認をしてきた。なんで?
「そうだけど、どして?」
「別人みたい。」
え?え?え?
「髪切ったんだぁ。すっごい似合ってるよ!」
フェリの言葉で気がついた。
昨日は夕方まで爆発に巻き込まれたままの格好だった。
プチアフロみたいな髪型をしていたんだよな、俺。
「服も似合ってる。ちゃんとした格好をすると見違えるわね。」
リルがほめてくれた。
でも···普段からちゃんとしてない訳じゃないからな。
いつもあんな髪型してる訳じゃないからな。
自分でも恥ずかしかったんだからな。
「どっか行きたい所はある?」
フェリがそう言うので「図書館」と答えた。
「図書館は平日しか開いてないわ。」
と言うことは今日は土日祝のどれかになる。
「今日は何曜日?」
「日曜日よ。」
詳しく聞くと一週間は前の世界と同じ概念らしい。
祝日は当然異なるが。
「じゃあ、図書館には明日行くよ。」
学院の敷地内に入るためには許可証がいるらしい。
図書館は一般解放がされているとはいえ、身元保証が必要だとのこと。リルが手配をしてくれるようだ。
ここはギルバート家の権力にすがることにした。
「じゃあ、他に行きたいところは?」
再びフェリが聞いてきたのでこう答えた。
「部屋を借りたから家具とか生活用品が買いたいかな。」
「え!?」




