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403話 エージェントの遠征⑪

おそらく、テスラの兵の支援だろう。


爆撃のような攻撃が、一斉に魔物の群れを襲った。そして、そのすぐ後には、プラズマのような球体が高速で飛んできて、直径数十メートルの範囲で爆裂が起きる。


タイガはそんな状況でも、躊躇うことなく、身近な魔物を斬り捨てていく。突然の範囲攻撃に、魔物達はさらに混乱に陥り、こちらへの警戒を怠っている。今が、その数を減らすチャンスだった。


オーガの手足の腱を斬り裂き、キラーグリズリーの耳穴にバスタードソードを刺して貫く。手数で次々に行動不能に追いやっていった。


『「!」』


嫌なものを感じた。


ソート·ジャッジメントに反応したそれは、紛れもない邪気だ。


『いるな···魔族が。』


教会本部を出る時に、明確ではないが魔人、もしくは魔族らしき者が確認されたとは聞いていた。情報が曖昧なのは、ソースがかなり遠方から監視をしていた兵士の「魔物の群れの中に、人間がいた。」という証言だけだったからだ。普通の人間が、魔物に紛れて行動を共にするとは考えにくい。その後の続報はないので、見間違いであった可能性も否定はできなかったのだが。


しかし、神アトレイクの言葉に間違いはない。悪意は感じられず、根深い闇を思わせる邪気だけを感じた。


「もしかして、上位魔族か?」


『だろうな。しかし、そなたのスキルは、その見分けまでつくのか?』


「邪気の質が違うからな。深い闇を感じた。」


『そうか···。』


神アトレイクも、魔族の存在を感知した時に同様に感じた。タイガのスキルも、同質のものなのかもしれない。


サキナ達がいる方向に視線を向けたタイガは、気配を消し、魔物の群れから離れだした。




「聖霊魔法か。なかなかの威力だな。」


上空から声がした。

背筋が凍るような重々しい声。


サキナがその声の方向を見る。


「!」


ゆっくりと下降してくる男は、紅蓮のような赤い瞳をしていた。


魔物の群れの中に、魔族らしき存在がいたとの報告があった。それを失念していた訳ではないが、サキナはその存在感の大きさに絶句した。






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