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37話 異世界生活の始まり④

美容室を出た後、繁華街らしき場所が見えたのでそちらに足を運んだ。


もう夕方と言うより夜だ。

長い1日だったが、ずっと何も食べていないことに気がついた。


腹へった。


異世界の食べ物って何となく怖い気がするが、これからは日常的に摂取しないといけない。


服のように違和感のないものであることを祈りながら飲食店を眺めて歩く。


ふと、ガラス張りのバルのような店舗に眼が吸い寄せられた。


見覚えのある2人が立ち飲みをしながら会話をしているようだ。

なぜか涙と鼻水を流しながら頷きあっている。

なんだ、どうした、ラルフ&元ランクS認定官。


この店はないな···。


中の2人に気づかれないように店の前をそっと離れる。




しばらく行くと肉の焼けるいい臭いがしてきた。


店先で串を打った肉が炭火で焼かれている。何の肉だろうか?

とりあえず旨そうだから候補としてキープ。




旨そうな臭いがしている店は多いが、何の食材を使っているのかがわからない。


店先のメニューを見ても固有名詞の理解ができない。


躊躇っていても仕方がないが、初めての異世界メシでトラウマを作りたくはないので慎重になってしまう。




そんなふうにキョロキョロしているうちに袖を引っ張られた。


「お客さん、何をしているんですか?」


声の方を見るとさっきの美容師だった。


「あれ?仕事終わったの?」


「はい。帰る途中です。」


ニコッと笑う笑顔が素敵だ。


「接客スマイルよりも今の笑顔の方がいいね。」


「え···違います?特に意識はしてないんですけど。」


「俺の勝手な感想だから気にしなくていい。」


店にいる時の方が少し表情が固い気がするが余計なお世話だろう。


「フフッ、お客さんおもしろいですね。何をしていたんですか?」


「お腹が空いたからご飯を食べたいと思って。美味しそうな店を探してるんだけど、お薦めはあるかな?」




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