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340話 エージェントはやはりフラグに気づけない⑪

メインストリートに出たフェリ達は、眩く光るスキンヘッドを探していた。しかし、人の流れが激しくなってきたこともあり、なかなかみつけることができない。


「きっと、治癒修養会が開かれる教会本部に向かったのでしょう。」


「そうね···そちらに急ぎましょう。」


ガイウスとリルの短い会話から、次の行き先が決まる。


『タイガ···どうしてあんな姿に···何があったの?』


マリアとシェリルの胸の感触で両側から攻められ、自らの煩悩に坑がって、苦悶の表情を浮かべていたタイガのことなど知るよしもないフェリは、本気でタイガの身を案じていた。




「どうして!?彼は目が見えないのよ!」


マリアは治癒修養会の受付で、係の者を相手に食い下がっていた。先ほど受付窓口に到着したのだが、同行することを許可してくれないのだ。


「何度もご説明をしている通り、乳幼児以外に同行者をつけて入場をすることはできません。この先は、こちらの係の者が案内をしますのでお引き取りください。」


既に同じ回答を何度も繰り返していた受付係は、うんざりしたような口調で諭そうとしている。


「でも···。」


「マリア、大丈夫だ。ここまで連れてきてくれただけでも、十分助かった。ありがとう。」


タイガがマリアの頭に手を置き、優しく撫でてくる。


『う···目が見えていないのに、器用に頭に手を置くなんて···。こういうのに弱いのに。』


「···本当に1人で行くつもり?」


マリアが不安げに聞く。


「規定のようだからな。それに、後ろで並んでいる人達にこれ以上迷惑はかけられない。」


「あ···。」


後ろには、長蛇の列ができている。自分達が流れを止めているのだ。


「···マリア、タ···ソウリュウの言う通りにしましょう。ここは他の人に譲らないと。」


シェリルも後ろを振り向きながら、そう告げてきた。タイガに同行できないことに落胆の表情は隠せない。


「んじゃー、お茶でも行こっ!」


そして、ティルシーは相変わらずだった···。






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