表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
312/1622

311話 依頼者タイガ·シオタ③

低い軌道で飛んでいた石は、盗賊団の数十メートル手前で地面に落下した。そのままバウンドを繰り返して、土煙を巻き起こす。


「·····················。」


「え~と····。」


「あれだけの飛距離はすごいけど···。」


マリア達は盗賊団まで届かなかった石を見て、内心でこう思った。


『何をしたかったのだろう。』


と···。




バウンドを繰り返しながら、勢いの削がれた石は盗賊団の手前で停止した。


「ぎゃはははは!何だよ、あれ!」


「届かねぇじゃねぇか。驚かせやがって。」


「早く魔法を撃ち込んで、間抜けを始末しろよ。」


「ちょっと待て。土煙で奴が見えん。」


そんな会話を交わして余裕をかます盗賊団。しかし、視界を遮る土煙の中から、脅威が迫っていることには気がつかないのであった。




あ~、届くかと思ったけど、無理だったか···ちょっと恥ずかしいぞ。


タイガは、投げた石が詠唱中の魔法士には当たらないまでも、盗賊団の誰かには当たるだろうと想定していた···マリア達が見ているので、ちょっと張り切った。結果は中途半端に失速し、見ての通りだ。


だが、これを想定通りと振る舞うのも一つの手段。


目に見える石をかき集めて、盗賊団のいる方角に投げる、投げる、投げる!


「ぐわっ!」


「だっ!」


「うおっ!」


土煙の向こう側から、体に石が当たる音、悲鳴、驚愕の声が次々に聞こえてくる。


あっ!やばっ!


盗賊団のいる方角には貴族の馬車もいたはず。


あんまり調子に乗っていると、無関係の人まで死んでしまうかもしれん。


タイガはしれっと攻撃の方向性を変え、土煙の向こう側に突進した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ