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295話 狙われたエージェント⑥

「タイガ、どこに行ってたのさ?」


パティだ。

久しぶりに会うが、少し口を尖らせて、そんなことを聞いてきた。


「え?王都だけど。」


「そうじゃなくて、こっちに戻ってきたのなら先に顔くらい見せに来てくれたら良いのに。」


「シャワーを浴びてきた。臭いのは嫌だろ?」


小一時間くらいの話だよな。

なぜプリプリしてる?


「そりゃそうだけどさ···ぶ··無事かどうか確認したかったから。」


なんだ、心配してくれていたのか。


「ありがとう。ご覧の通り、ピンピンしてるよ。」


そう言いながら、頭を撫でてみた。


「う···。」


顔が真っ赤だ。

これって、機嫌の悪い女の子への特効薬みたいなものか···嫌、違うな。元の世界だと、「髪が乱れるからやめてっ!」とか言われた事がある。むやみにやると、嫌われるんじゃないか···あ、もしかして顔を真っ赤にしているのは怒っているのか···。


「パティ、頭を撫でられるのは嫌か?」


「····嫌じゃないよ。」


ぷぃと顔を横に向けて答えた。

う~ん、本音はどっちだろう···。


よく、「壁ドン」とか、「頭を撫でると女の子は喜ぶ」とか言われているけど、相手はイケメンに限るからな。むしろ、つきあってもいない相手にしたら、敵を増やすか、女の子のコミュニティに総スカンをくらうからな。


「タイガ!」


名前を呼ばれた方を見ると、フェリが小走りに駆け寄ってきていた。


「フェリ。ただいま。」


「おかえり···。」


なぜか、フェリの表情が固い。


「どうかしたのか?」


「···今、ターナー卿が来られているの。」


デビット·ターナー。

この国の騎士団長。清廉潔白なキレ者で、かつて魔人化?したマイク·ターナーの父親だ。本物の魔人が出現したこのタイミングでの訪問は、何か関連があるのだろうか。


「ターナー卿だけなのか?」


「ええ。お供の方は何名かいるけど···。」


「それで、何の要件なんだ?」


「それが···タイガに···魔人である疑惑がかかってるって···。」


···そうきたか。












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