表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
295/1622

294話 狙われたエージェント⑤

スレイヤーギルドの街に帰ってきた。


聖騎士団とはその場で別れたが、クレアとクリスティーヌは同行している。


クレアはアッシュとの協議のため、クリスティーヌはその護衛のためだ。聖騎士団長であるクリスティーヌが団を離れることについては、最初から申し合わせていたらしく、デュエル·ソルバ達と共に聖女のサポートに回るらしい。


あの魔人については、遺体を魔法で焼却処分した。聖騎士達は複雑な表情をしていたが、ガイウスが大公の名前を出したために、それ以上の話をする気は失せたらしい。さすがに王国の重鎮を批判する真似はできないのだろう。


「あっ!ギルマス補佐だっ!!」


「おかえりなさいっ!」


ギルドの修練場で、鍛練中の者達から声をかけられた。


「ただいま。鍛練は順調?」


「はい。ギルマス補佐に言われた多属性魔法での集束は、かなり練度が上がりましたよ。」


清々しい表情をしている。

ここを出る前に提唱した鍛練で成果が上がっているからこそ、こんな風にフレンドリーなのだろう。以前はもっとぎこちない態度を取る者が多かった。自分達が強くなっていると実感しているからこそ、前向きな姿勢でいられるのは、武芸やスポーツに取り組む者が共通して持つ長所だと言える。


「それは良かった。アッシュは中かな?」


「はい。国のお偉いさんが来ているようで、リルさん達と会議室におられます。」


お偉いさん?


「そっか。ありがとう。」


思い当たるのは大公くらいだ。だが、俺が王都を出てから数日でこちらに訪問をしてくるとは、何かあったのだろうか?


どちらにしても、あまり良い予感はしなかった。




ギルドの受付で簡単な報告を済ませてから、すぐに自宅に戻り、念入りに体を洗って新しい服に着替えた。


旅の途中では風呂もシャワーも浴びれない日が続くことがある。この世界では、浄化魔法というものがあり、感染症を防ぐ手立てはあるらしい。まぁ、魔法が通じない俺には当然効かないので、可能な限り清潔にするしかないのであるが、シャワーを浴びるだけでも多少の疲れが取れた気がした。


スレイヤーも冒険者も、遠征に出ると着の身着のままでクサイ奴が多い。たまに、息を止めたくなるような奴もおり、対抗手段として「息の根を止めても良いか」本気で考えたりもする。冗談じゃないぞ。本気で臭いんだぞ。


え?女性はどうかって?


それはさすがに対策をしている者が多い。


浄化魔法を習得している者も多いし、状況から「飲む香水」が普及している。名前の通り、常用すると体の内側、厳密に言うと毛穴から良い香りが漂う。  


変な薬じゃないぞ。元の世界でも普及している合法的な物だ。


柑橘系や花の香りなど様々なものがあり、闘いを生業としている女子達には、化粧品よりも重宝されていると言う。


実は俺も、リルに聞いてから愛用している。紳士のたしなみというやつだ。


臭い奴はモテないだろ?


まぁ、元々モテたりはしないのだが。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ