253話 帰路④
朝食を取っていると、西の丘陵から複数の人影が見えた。
小さな3つの人影を、数十体の巨体が集団で追いかけている。
最初は、子供を大人達が追い回しているのかと感じられたが、そうではないようだ。
目を凝らすと見えたのは、3人の男女を追う、石像群だった。
「な···何あれ?」
レースが驚きを言葉にするが、その時に既に俺は動いていた。
ソート·ジャッジメントは反応しない。おそらく石像は魔族や魔物ではないが、ただ事ではなさそうだ。
一直線に数百メートルの距離を、全力で駆ける。
正面に迫った3人は、驚きの表情で俺を見た。白のシスター服と牧師のような格好をした男女。救いを求める目をしていた。
また厄介ごとに巻き込まれそうな感じはしたが、放ってはおけない。
「敵か?」
「は···はい!」
先頭を走るシスター服の女性からの返答を聞きながら、3人の脇を駆け抜ける。
敵なら倒すだけだ。
どちらが善か悪かは、直感と状況で判断した。
抜刀。
一番前の石像を袈裟斬りで両断。
返す刀で、他の個体を横に両断。
次の石像に蹴りを入れて倒し、続く群れを次々に斬り倒していく。
駆け抜けた後から、重量物が地面に崩れ落ちる音が、地響きのように連なる。
合計21体。
全てを両断し、蹴りを入れて地面に転がしていく。




