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230話 国王からの招待⑦

「ありがとうございます。明日にでも冒険者ギルドに話を通しに行ってきます。」


後で勝手に引き抜いたと言われて、冒険者ギルドともめたくはない。


「そうか。ややこしい話にならないように、私がグランドマスター宛の指示書を用意しよう。魔族の脅威に備えるために、3人にはスレイヤーギルドに移籍をしてもらうとな。」


グランドマスターとは、この国の冒険者ギルド総本部のトップだ。王都本部と各都市にある支部の統括をしている。


「いろいろとありがとうございます。」


「かまわないさ。それよりも3人を頼んだぞ。」




翌朝、俺は騎士爵の陞叙式のために再び謁見の間に立った。


定型の儀式の後に勲章を授与され、滞りなく終了する。


「それで、そなたに報奨を取らせる話だが、一夜明けて思いあたるものはあったか?」


一夜明けるも何も、夕食会の後に酒につきあわせて、明け方まで拘束したのはどこのおっさん方だよ。


「身の程をわきまえない内容でも構いませんか?」


「内容を聞こう。」


「スレイヤーも冒険者も任務中に命を落としたり、行方不明となる者が少なくはありません。そういった場合に残された家族の生活は非常に厳しいものとなります。場合によっては両親を失い、孤児となる子供達もいます。」


国王は黙って話を聞いていた。

こういった現状は国の将来にも影響を及ぼす。真摯な態度で耳を傾ける様子を見ながら、前から考えていた事を口にした。


「孤児院には、そういったスレイヤーや冒険者の子供達も身を寄せています。残念ながらその多くは経済的に困窮し、片親が残っていたとしても、生活がままならない者が多いのが現状です。そういった場合の救済措置を考えてはいただけないでしょうか?」


「ふむ。そういった者達を救済する原資が必要ということか?」


「いえ、原資はギルドからの報酬の一部を積み立てることで賄えるかと思います。例えば、全スレイヤーが報酬の1割を負担して、ギルドか銀行がそれを管理する。スレイヤーが任務中に亡くなった場合は、その積立金の中から所定の額を遺族や孤児院に給付するような形です。」


「なるほど。お前はその制度を私に作れと言っているのだな。」


「はい。願わくば。」


「よかろう。それは国にとっても必要なことだ。各ギルド協会と話し合いの場を持ち、制定を進めよう。」







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