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22話 模擬戦① vs認定官×5

認定官達は順番に自己紹介を始めたが、やがて自己チューな発言を繰り出すようになってきた。


「タイガだったよな?魔族を素手で倒したんだろ。」


「いきなり飛び膝蹴りをかましたって聞いたわよ。」


etc···


5人の一方的な会話は止まらない。


事実だけど···いいかげんうるさいよ、君たち。




収集がつかなくなってきたところでアッシュが


「くだらない話を続けるようなら模擬戦はなしだぞ。」


と圧をかけて黙らせた。


おおっ!ギルマスの威厳か?


それとも恫喝か?




一斉に沈黙した認定官どもは「それは困る」といった表情で真剣な眼差しになった。


「すまない。このメンバーは強い奴と戦うために認定官をやっているようなものだから···お前との模擬戦が楽しみで仕方がないんだ。」


アッシュが謝罪をしてくるが、誰かが「お前もだろっ!」とツッコミを入れてくる。


「あぁ~ん?」


いやいや、アッシュよ。その反応はヤカラと言うんだぞ。



本当にしまらない。

大丈夫か?このギルドは···




「まずは模擬戦用の武器を選んでくれ。専用のものだから刃はつぶしてある。」


修練場の端に様々な武具がそろっていた。キャスター付きの棚に収納されている。



「アッシュとも闘うのか?」


そう聞くと、


「認定官のあとにな。」


と満面の笑みで答えてくる。


「···ルールは?」


「目潰しなど後遺症の残るような攻撃や致死に至るレベルの魔法は禁止だ。」


逆に言えばそれ以外は何でもありなんだな···。


「···わかった。じゃあ、模擬戦に使う武器はこれで良い。それと、魔法には制限をかけなくてかまわないし、時間がもったいないから5人まとめて相手をさせてくれ。」


そう言いながら俺は二本の伸縮式警棒を手にした。金属製でそれなりの重量がある。


両手に持って振り出すとカキィーンという心地良い音が鳴り、80センチくらいの長さになった。


これって、元の世界のものと仕様が同じじゃないか?


そう思えるほどエージェントとして愛用をしていた物に酷似していた。


他にも剣やらメイスやらがいろいろとあったが、伸縮式警棒を選んだのは「使い慣れている」という単純な理由からだ。


俺の家系は日本の忍者の末裔で、明治時代以降は政府の影の機関として暗殺や諜報を請け負っていた。

そんな家に生まれると、幼少の頃より様々な武芸に身を投じる(半ば強制的なのだが)のは必然と言えるだろう。

剣も扱えなくはないが、得意なのは西洋剣ではなく刀だ。修練の一貫で居合いも修めてはいる。

だが、ここにそんなものはない。


中途半端な練度の武具を使うことは模擬戦であっても負ける要素をわずかでも広げる。


だからこその選択だ。


と、心の中で熱く語っていると、リルの声が耳に入ってきた。


「タイガの言葉で認定官のみんながキレてるわよ···。」


「へっ?」


呆れ顔でフェリも乗っかってきた。


「思ってても魔法に制限はいらないとか、時間がもったいないから5人まとめて相手するとか、ヘタレとか言わない方が良いよ···。」



いや、フェリよ···ヘタレとは言ってないぞ···。




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