213話 王都での謀略⑩
ガンッ!
消滅した魔法の死角からミルトンの剣が振り下ろされてきた。
警棒で弾くが、すぐにミルトンは後退。逆の方角からシルビアのダガーが刃を走らせてきた。良い連携だ。
紙一重で避ける。
すぐにもう一本の警棒を取り出して構えるが、前衛の2人は間合いを長く取り、バーニーの第二撃が襲ってきた。
先程と同じ展開を予想して、真上に高く跳んでコンバージェンシー·フレイムを避ける。
宙に逃げた俺をチャンスと捉えたミルトンとシルビアが、同時に攻撃を仕掛けてきた。
下からの剣撃に体を回転させながら、警棒で応戦。
風撃無双。
ミルトンとシルビアは落ち着いて間合いを再度取り、回避。
警護を主任務としているだけあって、しっかりと相手を見て行動している。普通の騎士団員なら、攻撃を焦って風撃を浴びているところだろう。
着地したタイミングで3回目のコンバージェンシー·フレイムがきた。同時にはるか後方から殺気を感じる。
ドーンッ!
別の場所で魔法による爆発が起きた。
俺はそちらを気にせずに、目の前のコンバージェンシー·フレイムに背中を向け、後方から来る攻撃を正面で捉えた。
「!」
ミルトンとシルビアも外部からの攻撃に気づいたようだ。
シュンッ!
カツッ!
飛んできた弓矢を警棒で弾くと同時に、背中に直撃した魔法が消滅する。
「ストップよ!模擬戦は一時中断してっ!!」
アンジェリカが叫んだ。
弓矢が飛んできた方角を見ると、観戦用のスタンドの下にある通用口で、スレイドがクルドを拘束していた。
観戦していた者達から「なんだ、何が起こった!」とざわめきが起こっている。
弓矢を拾い上げた俺は鏃を確認する。粉っぽくなった何かが付着していた。毒だろう。
「みんな動かないで!来賓への襲撃よ!!」
アンジェリカの声が観戦用のスタンドに向けて響き渡った。
「静まれっ!全員席を立つな。不審な動きをした者は即拘束する。」
一時騒然となるが、スタンドからのジョシュアの指示もあり、場内がパニックになることはなかった。




