206話 王都での謀略③
「ギルマス補佐、食堂を利用しても大丈夫だそうです。」
10分程経ってからスレイドが戻ってきた。
「よくOKが出たな。」
「国王陛下からギルマス補佐を来賓として丁重に扱うようにとの御達しがあったようです。」
「そうか。ありがとう。」
やれやれだ。
ジョシュアにも謁見でのやり取りは報告されているだろう。
あれだけプライドをへし折られた騎士団員も、国王陛下からの御達しには逆らえないか。
長いものには巻かれろという諺があるが、反骨精神を抱けないと強くはなれないぞ。
騎士団員の待機所にあるという食堂に向かった。
衣装は動きにくいので、元のものに着替えている。
渡り廊下を歩き、場内を10分程歩くと食堂があった。ためらわずに入ったが、その瞬間から突き刺さるような視線があらゆる方向から来た。予想はしていたが、殺気だっている。
「何でしょう。嫌な視線を感じますが···。」
スレイドには謁見での騎士団員との出来事については話をしていない。
「さあな。気にすることはないさ。」
辺りを見回すと、100名近くの騎士団員がいるようだが目を合わせる者はいない。殺気は絶えず死角となる方向から放たれてくる。
俺はトレイを取り、出来合いのものを入れていった。豪華さはないが、ボリュームのあるものばかりだ。
ミートボールスパゲッティーとトマトサラダ、パンを数種類とシチューを並べたトレイを持ち、空いている席を探す。
ちょうど女性ばかりのテーブルが数席空いていたので、声をかけてみる。全員が甲冑をまとってはいるが、他とは違って華やかだ。それに
こちらに対して敵意を向けていない。
「ここ空いてますか?」
こちらを見た一番手前の女性と一瞬見つめあう感じになる。
「ええ、どうぞ。」
そう言いながら微笑んでくれた。
「ありがとう。」
こちらも微笑み返して、スレイドと共に席につく。
食事を始めると女性達の視線を感じた。嫌な感じではなく、好奇心からといった様子だ。
「あの、もしかしてスレイヤーの方ですか?」
先程の女性が声をかけてきた。




