189話 王都への招聘⑩
ケリーとセイルは目を丸くして事の成り行きを見ていた。
スレイドはめちゃくちゃだと言わんばかりの顔をし、ガイウスは面白そうに口を綻ばせている。
「村長、中を案内してもらっても良いですか?」
「え···でも···。」
「魔物の脅威から人を守るのがスレイヤーの務めです。人間に化けた魔物もいることですし。」
今の言葉に四方からの監視の気配が色濃く反応した。
「スレイド。気づいていると思うけど、覗き見が好きな魔物が4体いるようだ。処理を頼む。」
「わかりました。」
魔物4体とは、近くで監視をしている人間の事だ。
「僕も加わります。」
ガイウスも働いてくれるようなので2人に任せることにした。
村の中に入ると、村長は集会場のような建物から視線を動かさなかった。ソート·ジャッジメントでもそこから微かな悪意の反応がある。
誰かを人質に取られているのかもしれない。
「途中で消えるからそのまま行ってくれ。」
隣を歩くセイルに口元を隠して小声で伝えた。こくんと前を向いたまま頷く。この冒険者パーティーは察しが良い。
俺はわざと歩みを遅らせて最後尾に行き、集会場の窓から死角になる位置で身を隠した。
集会場は平屋の建物だ。
窓にはカーテンがあり、中は見えない。
悪意の反応は2つ。
俺は蒼龍とバスタードソードを背中から外して建物の基礎部分に隠した。
小石を2つ拾い、集会場の玄関扉に投げる。
コンッ、コンッ!
ノックのような音が鳴った。
そちらで気を引いている間に反対側へと周り、扉が開く音がした瞬間にニーナの所で購入したセーフティスティックでガラスを突いて割った。




