183話 王都への招聘④
バルに行くと、なぜかスレイドが3人の冒険者らしき男女と相席をしていた。
ナンパした訳じゃなさそうだな。
俺は深刻そうに話す4人の席に向かった。
「あっ、ギルマス補佐。こっちです。」
「えっ!お連れの方ってギルマス補佐様なんですか!?」
一番年上と見える冒険者?の女性がスレイドに確認をした。
「ああ。うちのギルドのギルマス補佐、タイガ·ショタさんだ。」
バシッ!
「痛っ!」
俺はスレイドの頭を平手打ちした。
ショタって言うな。
「失礼しました。改めて、タイガ·シオタです。」
いきなりスレイドの頭をどついたので3人が目を丸くしている。
「···シオタの発音が難しいようだから、タイガと呼んでくれれば良い。俺の故郷ではショタと言うのは、小さい男の子の事を指すんだ。場合によってはショタコンを略してそう呼ぶこともある。」
「あ···いきなりだったのでびっくりしました。つまり、スレイドさんは上司に向かって少年愛好家と呼んだという事ですよね?」
「そうなる。」
頭の回転が早いようで助かる。
「そ···そうだったんですね!しらなかったとは言え、申し訳ありません!!」
デカイ男が直立して頭を下げるのは目立つ。
「良いから座ってくれ。変に目立ってるだろ。」
周りからひそひそと噂をされだした。
「あの人、変態なんだって。」
「大丈夫だ。少年趣味らしいからこっちには実害がない。」
「騎士団を呼んだ方が良いんじゃないか。」
やめろ。
全員の記憶を消してやろうか。
くすくすと笑う3人と、これ以上にないほど申し訳ないといった顔をしたスレイド。
俺は肩をすくめて話を聞くことにした。




