176話 スレイヤーギルドの改革⑬
「あ~!誰だよ、俺の盾を壊したのは!?」
バーネットが周囲を睨む。
「バーネット、直接壊したのはあの辺で青い顔をしている魔法剣士達だ。」
俺はステファニーやセティ達をすっと指差す。
「「ギ···ギルマス補佐···!」」
あ、なんか泣きそうになってる。
「だがバーネット。この結末を生んだのは、模擬戦で指揮を執っていたあそこに転がっている奴だ。」
「そうなのか?」
バーネットは気絶をしていたので事の顛末を知らない。いずれバレるだろうから悪ふざけはこの辺にしておこう。
「まぁ、あれでも俺の上司だからな。補佐である俺が責任を取って弁償をしよう。」
「えっ!?マジか?」
「バーネットの盾がないと俺も困る。頼りにしてるからな。」
「···本当にそう思うのか?」
ものすごく真面目な顔で聞いてくるバーネットに、本心からこう言った。
「当たり前だろ。お前なしなんか考えられないぞ。」
口をつぐみ、目を見開いて俺を凝視するバーネット。なんか耳が赤いぞ。
「······せ、責任持てよな。」
ボソッとつぶやかれた。
えっ?何、責任って?
「セティ、ギルマス補佐って···怖い。」
「同感···絶対に敵に回したくないね。」
ステファニーとセティは、何かあったらアッシュよりもタイガ側に付こうと秘かに誓い合うのだった。
俺はまだ意識を取り戻さないアッシュの所に行き、頬を軽く叩いた。
「お~い、アッシュ。起きろ。」
「ん···むにゃ····。」
「··············。」
起きないな。
よし。
俺はポケットから瓶を取り出してフタを外した。
「悪いがあまりゆっくりと寝かせとく訳にはいかないんだ。」
にまぁ~と笑ってアッシュの口に赤黒い液体を一滴落とす。
その行為を見ていたスレイヤー達からは息を飲む音が聞こえてくる。
「ぐ···ご····がはぁぁ···!」
「おはよう。」
「タ···タイガ···ぶっ···ふぉぉっ!」
アッシュは走って建物に入っていった。
「大袈裟だなぁ。ただのトマトソースなのに。」
『『『『絶対に嘘だ·····。』』』』
青ざめる周囲を無視してステファニーを呼んだ。
「ひっ!····は、はい!何でしょうか!?」
「今の模擬戦での反省点と、相手を上位魔族だったと仮定した場合の対策案をみんなで考えて欲しい。」
「わかりました!」
「大丈夫だと思うが、真面目にやらない奴がいたらこれを使ってくれ。」
そう言って先程の瓶を渡す。
「えっ···あ···これをお預かりしても良いのですか?」
「プレゼントするよ。料理とか護身用にでも使ってくれ。もっと強烈なやつを開発してるから気兼ねはいらないぞ。」
「···ありがとう··ございます。」
『『『『もっと強烈なやつって!!!怖ぇぇぇぇ····。』』』』




