170話 スレイヤーギルドの改革⑦
多属性魔法の融合についての実演を見たいというので、まずシスとケイガンのコンビに前に出てもらった。
「シス、打ち込み台よりも3メートルくらい右手に氷柱を放ってくれ。」
「はい。氷柱はどのくらいの数を出せばいいですか?」
「初めてのコンビだから3~5本くらいで良いだろう。」
「わかりました。」
シスが立っている場所から打ち込み台まではおよそ50メートル。氷柱だと到達するまでに3秒とかからない距離だ。
「いつでも大丈夫だ。」
ケイガンの準備はできているらしい。
「いきます!」
シスが合図を出して詠唱を始めた。
最初に出会ってからほんの数日だが、詠唱速度が早くなっている。特訓の成果だろう。
わずかな時間で詠唱が終わり、3本の氷柱がシスの手元から飛んだ。
一本あたり30センチくらいの鋭利な氷柱だ。3本が等間隔で並んでいる。
ケイガンの風撃が時間差で発動し、氷柱をコントロールする。
速度が跳ね上がり、打ち込み台を通過した。
「あっ!?」
シスが声を上げるが、ケイガンは冷静に対応をする。
氷柱がアールを描いて一度通過した打ち込み台の背中に直撃した。
「お見事、ケイガン。慣れてきたようだな。」
「ありがとうございます。始めての相手だと呼吸を合わせる必要がありますが、氷柱だと石の時とあまり感覚は変わりません。慣れれば、もっと精度も上がると思います。」
スレイヤーの中からは自分もやってみたいという声があがったが、先に炎撃でも実演をすることにした。
テスを呼んで、同じようにケイガンと組んでもらう。
「テス、飛来する魔族を想定して炎撃を放ってくれ。」
「わかりました。昨日と同じ角度でやってみます。」
「ああ、頼む。」
テスが30度くらいの角度で空に向けて手を掲げた。素早い詠唱の後に炎の柱が立ち上る。
続けてケイガンが風撃を炎に巻き付け、一瞬後に青い炎へと変化させた。
目の前でゴーッと唸りながら燃える青い炎を見て、スレイヤー達は感嘆の表情をしていた。
これが各パーティーごとにできるようになれば、魔族に対しても大きな武器となるはずだ。
「石や氷柱よりも炎撃を操る方が難しいですが、徐々に風を送り込むような感覚でやれば青い炎にできますよ。これで魔族を1体葬りましたから、威力は保証します。」
ケイガンは胸をはるような感じで説明をした。




