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168話 スレイヤーギルドの改革⑤

周囲の沈黙を気にせずに、勇気のある質問をしてきた愚か者がいた。


「はいっ、先生!ロリッ娘は好きですか?」


パティがワクワクそわそわした顔で、立ち上がって手をあげている。


「····質問の意味がわからんぞ。そのロリッ娘と言うのがパティのことなら、その質問自体が間違えている。お前はすごく魅力的な女性だからな。」


ボッ!と、瞬間的に真っ赤になったパティがへなへな~と着席した。


どこからか、「フラグ·クラッシャーマジやべぇ!」と言う言葉が聞こえてきたので、殺気を放って黙らせた。


「はいっ!先生には彼女がいるのですか?」


今度はミシェルだ。


パティのせいで変な質問タイムに突入した。伝染するのって怖いな。


「想像に任せるよ。もし彼女になりたいような物好きがいるのなら、勝手に俺を妄想に使ってくれて構わない。たぶん、そんな奴はいないだろうが···。」


キャ~とミシェルがよくわからない反応をした。ほっておこう。


「先生ーっ!そこにある液体を歓迎会の時に俺の料理に入れませんでしたかぁ?」


アッシュが無表情で聞いてきた。

もしかして、ずっと気になっていたのか?


「···知らん。何の事だ?」


「あれ?今の間は何ですか?」


「講義にまったく関係のない質問がきたから戸惑っただけだ。因みにこれを飲んだら口から火が出る。タラコ唇だけでは済まないぞ。···非生産的な質問はこのへんで終わりにしよう。」


アッシュは疑わしい目で見ていたが、目を合わせないように無視した。




「次の話に移るぞ。風撃の活用方法だが、炎撃との組み合わせ以外にもある。何かわかる人はいるかな?」


「投石などの物理攻撃ですね?」


ケイガンが答えた。


「そうだ。昨日のように投石に風撃を掛け合わせることで、加速させたり、途中で軌道を変えることができる。弓矢なんかも同じだ。それ以外はどうだ?」


「それ以外もあるのですか?」


ケイガンにはわからないようだ。

発想力が足らんぞ。


「もしかして、氷柱のような魔法ですか?」


シスが答えてくれた。


おお、偉いぞ。

うちのパーティーメンバーは優秀だな。


「正解だ。魔法で氷柱を飛ばすのはある意味で物理攻撃に近い。速度を高めたり、軌道を変化させることは理論上可能だろう。」


これまでは炎撃の話ばかりだったので、水属性魔法を操るスレイヤーが身を乗り出して話を聞いていた。


この感じで行けば、実際にデモンストレーションをすることが一番理解をしやすいのではないかと思える。


修練場でやってみるか。






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