表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/1622

167話 スレイヤーギルドの改革④

次の日の午前中に昨夜のメンバーがギルドの会議室に集まった。


リルとフェリ、それにテレジアについては、学院に行っているので欠席となったが、あとから俺が話すので問題はない。


「さてと。まず始めに科学についての簡単なレクチャーを始める。魔法に応用するための基礎だからちゃんと聞いてくれ。もし寝るような奴がいたら、横のテーブルにある液体を口に注ぎ込むから注意をしてくれ。」


「···タイガ、質問だ。その赤黒い液体はなんだ?」


アッシュが訝しそうに聞いてきた。


「知りたかったら試しに寝てみると良い。」


俺はにっこりと微笑んだ。


この脅し···警告のおかげで、タイガの講義で寝たスレイヤーは誰1人としていなかった。




「···と言うわけで、空気には酸素が含まれている。風撃を炎撃に掛け合わせると、その中に含まれている酸素が燃焼を促し、さらに風の勢いで炎撃の威力が高くなると言う訳だ。」


俺は学校の授業のように、会議室の前にある黒板に図を描いて説明をした。


エージェントのブリーフィングも図を活用して行うことで、短時間の理解を促すことができる。脳筋どもには口で何を言っても時間がかかるだけだ。百聞は一見にしかずという諺は本当なのだ。


「先生!それが昨日のテスとケイガンが使った魔法なんですね?」


パティが手を上げて発言した。

ご丁寧に赤いフレームのメガネをかけている。


「そうだ。」


うん、似合うぞパティ。

かわいいし、良いと思う。

でも、俺は先生じゃないぞ。


「理屈はわかりました。それで、なぜ炎撃は青い炎になったのですか?···先生。」


うん。

良い質問だ、セティ。

でも、先生じゃないからな。


「遊離した炭素が輝いて見えるのが赤い炎、その炭素と釣り合いのとれた酸素が反応した状態が青い炎だ。」


「え··と···炭素とは何ですか?」


「炭素とは炎を作るための燃料と思えば良い。魔法で言えば、魔力がそれにあたるのかな。」


「では、青い炎とはどのくらいの威力があるのですか?」


「風の強さや、炭素と酸素の量のバランスにもよるが、赤い炎は1000度以下、青い炎は1700~2000度くらいの温度になる。単純に1.7~2倍。それに風による勢いによりプラスアルファの攻撃力だと考えたら良いと思う。」


話を聞いていたスレイヤー達は全員が呆気に取られていた。


理解が追いついていない者、単純に攻撃力の加算具合を聞いて驚く者など様々だろうが、今の単属性による魔法よりも格段に強い魔法が使えることは何となくだがわかったようだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ