最終章 You Only Live Twice 74
RL4で体力を削ぎ切った悪魔を殲滅するのにそれほど時間はかからなかった。
二丁のHG-01による応射もあるが、こちらには心強い味方もいる。
特にマルガレーテは俺以上に何かの鬱憤を晴らすような戦いぶりを見せ、まるで鬼神の如く振舞っていた。
うん、相変わらず怖い。
デレるとかわいいのだが、イマイチ何を考えているかわからないのである。
ツンデレというわけではないのだろうが、理知的に振る舞うときと、闘志というか感情を攻撃で表現しているときの乖離が激しかった。
「いや~、マルガレーテは相変わらずいい動きをするな。」
自分がいた範囲の敵を蹴散らしたアッシュが傍に来てそう言った。
「彼女とは模擬戦はしたのか?」
「いや、まだだな。」
「だったらアドバイスだ。人が近づき難いオーラを醸し出しているときが狙い目だぞ。戦闘力が向上しているときだからな。」
「お、マジか?今度、そういうときに模擬戦を申し込んでみるわ。」
よし、これでマルガレーテのご機嫌が斜めのときはアッシュが防波堤になってくれるだろう。
アッシュなら、簡単に屍として踏み越えられることはないはずだ。
「···相変わらずなのはタイガも同じね。」
サキナも近くまで来て話しかけてきた。
悪魔たちはもう数えるほどしか残っていない。
俺はAMR-01で一番距離のある悪魔二体を狙撃する。
「どういう意味だ?」
悪魔に着弾し、上半身を吹き飛ばしたのを確認してからサキナにたずねる。
「女性の機微に疎いってことよ。」
サキナは軽くため息を吐きながらそう言った。
傍にいたフェリやパティも同じようにため息を吐く。
なんだろう。
居心地が悪い。
俺はアッシュを見た。
目が合うと、アッシュはフッと笑いながらこう言った。
「もっと闘争心を燃やして戦いに備えろってことだよ。」
悟ったように言うアッシュだが、周りの反応を見る限り違うと思う。
サキナもフェリもパティも眉間にシワをよせてアッシュを見ていた。
その表情を見て、「違うわボケ」と無言で主張している気がするのは俺だけだろうか。
少なくともアッシュはそんなふうには思っていないように見える。
戦闘だけを見据えた鈍感野郎め。
そう思って女性陣に視線を移すと、今度は俺の方を見て同じ表情をしているのに気づく。
···あれ、もしかして俺もアッシュと同類に見られているのか?




