最終章 You Only Live Twice 52
「三人···三柱というべきかわからないが、それぞれに何か役割があるのか?」
シェムハザとはこうして対話しているが、グザファンとエネプシゴスはマルガレーテやサキナと何か言葉を交わし続けている。
「いや、あいつらは興味本位で来ただけだ。」
どゆこと?
「···興味本位というのはどういう意味だ?」
「そのままの意味だ。奴らはルシファーに絶大なる信頼を寄せているからな。そのルシファーが見出した人間に興味があるのだろう。」
「その割にはこちらに寄ってこないが?」
「自分たちとルシファーの関係を他の人間に結びつけたのだと思う。」
「具体的には?」
「奴らがルシファーを想うように。おまえを慕う者たちに親近感でも湧いたのだろうよ。」
そうか。
では、グザファンとエネプシゴスは本当にただついてきただけということか。
そう思って何気に視線をやると、マルガレーテとサキナに対して何かしていた。
まとわりついてボディタッチするような何かだ。あれが男なら間違いなく痴漢である。
女型だから卑猥なものは感じないが、もしかして違うのだろうか。マルガレーテとサキナはただ困惑しているようだった。
「どうやら気に入ったようだな。加護を与えるようだ 。」
「四方の守護者の加護と重複するが問題ないのか?」
「同種というべきか、根源は同じだからな。」
「そうなのか?」
「四方の守護者は多分に我々からの影響を受けている。真神ではないことも関係しているが、ともに下界の均衡を保つ似たような存在だからな。」
「その詳細を聞いてみたいのだが?」
「かまわないが、長くなるぞ。人間の時間でいえば数ヶ月ほどを要する解説になる。」
それは時間がかかりすぎるだろ···。
「要約すると、ルシファーとその一派は、堕天使と呼ばれながらも人間が平穏に暮らせるよう見守っている。四方の守護者もまた同じような目的で動き、直接手をくだすことはないということで共通しているということでよかったか?」
「···そうだな。概ね、その通りだ。」
数ヶ月もかかる話とは?
そして、なぜ拗ねた顔をする?
「理解した。」
「我はおまえに力の使い方を知らせに来たのだ。」
「翼以外にもあるのか?」
「いや、それだけだ。」
やはり相当暇なようだ。
翼の使い方を教えるためだけにわざわざ来るとは···。
「ところで、橋を落としたのはあんたらなのか?」
「違う。橋は我らがここに来たときには既に落とされていた。」
ということは、やはり別口で敵がいるということだろう。




