155話 レイド vs上位魔族⑪
「おおっ!上手くいった。」
ケイガンが連携魔法の効果の高さに軽く感動していると、またもやテスが冷静に答える。
「当然です。タイガさんの言うことに間違いなんかありません。」
確かにその通りだ。
単純な組み合わせとは言え、魔法は1人につき1属性のみしか使えないという固定観念にとらわれていた。これまでは、誰も異なる属性魔法の連携など試みたことはなかったのだ。
「魔法が使えないのにとんでもない発想をするものだ。」
無意識にそんな言葉が出た。
「次は私が連携魔法やります!」
ミシェルが元気よくタイガに申し出た。
「いや、それはやめとこう。」
「えっ!?····なぜですか?ギルマス補佐、私に冷たくないですかぁ?」
ああ、こいつマジうざい。
「ミシェル、おまえの魔法に何を組み合わせるんだ?」
「ええっと···火は相殺されるから···やっぱり風ですね!」
「メテオライト·ドライブに風撃を組み合わせたらどうなる?」
「えっと···スピードが速くなります。」
「それを誰がコントロールできるんだ?」
「····ケイガン?」
「えっ?俺?あの質量のコントロールは無理だぞ!」
だと思った。
メテオライト·ドライブは威力がすごいけど、本人すらちゃんとコントロールができているようには見えなかった。
「仲間が巻き添えを食うかもしれないからダメだ。」
「ぶぅ~。」
そんな風にふくれてもダメだぞ。
かわいくないし。
その様子を見てケイガンは思った。
ああ、めちゃくちゃのようだけど、ギルマス補佐はちゃんと考えているんだと。
味方の魔法で死にたくはないからな。
「他の3体が向かってくるぞ!」
バーネットが言うように、残りの3体はそれぞれに別れて攻撃を仕掛けようとしていた。
「パーティーごとに別れて各個体に対処。一体は俺が受け持つ。」
「「「「はい!」」」」
他のメンバーに気負いや恐れは感じられない。
シスやテス達も、特訓や先程の連携魔法の威力を経験して、精神的な弱さを克服しつつあるようだ。
俺はすぐにフォローに入れるように、目の前に迫った魔族への攻撃に集中する。時間はかけていられない。




